009 組~Contest

   とある街

ネクリア:で、誰が出るの?

ヒイカ:あなたたちと組むならまだしも、どこの誰かもわからない奴と組むのはごめんよ。

ヤズネ:そう言うなでやすよ~。あの商品ほしいでやしょ?

ヒイカ:私は別にどうでもいいわ。

ネクリア:えーいじゃあもう全員参加よ!早くしないと受付終わっちゃうもの!

   数十分前

ネクリア:次の町に到着ね。

ジャング:賑やかな街だな。

人:君たち、この街に来たばっかりかい?

ヤズネ:そうでやすよ。

人:運がいいね~!今、この街最大のイベント、RHJ大会が始まるんだよ!

ハリイノギョ:なんやそれ?

人:誰でも自由参加できるバトルトーナメントさ!優勝チームには、この街特有の食材1年分!

ヒイカ:どこのクイズ大会の商品よ。

ネクリア&ヤズネ&フバクノソラワ:ほしい!!

ウミナギ:欲しいのかよ。

人:だったらすぐに登録しないと、受け付け終わっちまうぜ!あの大きなドームでやるんだ。

ネクリア:行くわよ!

   ドーム

ネクリア:はぁっ!?チーム戦じゃないの!?

受付:ですから、登録は個人で行いますので…

ジャング:だったらどうやってチーム組むんだ?後で決めるのか?

受付:いえ、こちらのコンピューターがランダムで決めさせていただきます。

ヤズネ:じゃあ組みたい人と組めないじゃないでやすか!

受付:はい。それがこのRHJ大会の売りなんです。

ネクリア:どこがよ?

受付:強いチームがいてしまうと、バトルを見に来たお客様がつまらない思いをしてしまいます。ですが、ランダムで決まり、どこの誰かもわからない人たちとチームでどのようなバトルを見せてくれるのか…それをお客様は楽しみにしていらっしゃるのです。

ウミナギ:ちッ、めんどくせェな…

受付:参加なさいますか?

ジャング:一チーム何人だ?

受付:3人です。

ネクリア:じゃあ、ちょっと考えるわ。

   少し離れてさっきに戻る。

ネクリア:よっしゃ!全員登録よ!

受付:ありがとうございます。

ヒイカ:ちょっと!勝手に人のまで登録してんじゃないわよ!

ネクリア:うふふ☆

アルトア:俺たちもか?

ネクリア:あんたらはウミナギから離れられないんでしょ?だったら無理じゃないの?

ペライト:ムリダナ。

ネクリア:じゃあできないわね。

ソルト&シュガー:僕たちは~?

ネクリア:あんたたちは二人で一人。一人として扱ってもらうわ。

受付:できません。

ネクリア:そうよねー☆

   結局一人で参加したくないソルト&シュガーは不参加となった。

   ヒイカ、ネクリア、ヤズネ、ジャング、ミョンガー、ハリイノギョ、ウミナギ、フバクノソラワが参加することになった。

ヒイカ:なんで私まで…

ネクリア:いいじゃないのー☆

ヤズネ:ないのー♪

ウミナギ:テンションたけェ。

   そして。

ネクリア:見事に全員別のチームね…

ヒイカ:でしょうね。

ハリイノギョ:しゃあないわ、お互い戦うことになっても遠慮せんでええからな!

ジャング:逆にいえば、誰か一人でもたどり着ければいいってことだ。

ヒイカ:それじゃ、またあとで。

   ヒイカは歩いて行った。

ネクリア:じゃあ皆、がんばりましょうね!

ミョンガー:お~!

   ヒイカの控え室

ヒイカ:(誰も言わなかったけど、ネクリア辺りは気づいてたでしょうね。)

   ガチャッ

   ヒイカは控え室の扉を開けた。

エール:あ、あなただったんだぁ♪

ヒイカ:エール・ラヴァル…

エール:そんな構えないでよぉ♪今日は同じチームの仲間でしょぉ?

ヒイカ:ふん…

イワジル:あ、あのっ!

   部屋の奥に、びくびくとした男性がいた。

ヒイカ:あなたがイワジル?

イワジル:は、はいっ!

ヒイカ:(あまり強そうではないわね。となると、私とエールで頑張るしかないか…。とりあえず全体の状況確認したいし、ネクリアのとこに戻ろう。)

   ヒイカは扉を開けようとしたが、開かなかった。

ヒイカ:?

エール:あ、無駄だよぉ?ここは内側からじゃ開かないんだからぁ♪

ヒイカ:どういうこと?

エール:選手はね、他の選手のバトルを見ちゃいけないらしいの♪だから、係員が呼びに来るまで決して外とは交信できないのよぉ♪

ヒイカ:…へぇ、そうなの。

エール:そうなのぉ♪

イワジル:あ、あの…

ヒイカ:ん?何?

イワジル:い、いえっ!その…ルールをあまり知らないのでしたら…僕がご説明しましょうか…?

ヒイカ:あら、それは助かるわね。お願いするわ。

イワジル:は、はいっ!まず、一チーム三人なのは…わかりますね。

ヒイカ:そうね。

イワジル:これは団体戦ですが、戦うのは一対一なんです。一人ずつ戦い、先に二勝した方の勝ちなんです。

ヒイカ:よくある方式ね。

イワジル:それと…この大会、実は裏でヤバいことしてるんじゃないかって噂もあるんです。

ヒイカ:へぇ。それで?

イワジル:そ、それでって…

ヒイカ:商品だって食べ物なんでしょ?国宝でもないなら、裏で何やってようがどうでもいいわ。

イワジル:え、ええ…そうですけど…

エール:なぁに戦う前からびびっちゃってんのよぉ?先が思いやられるわぁ♪

イワジル:す、すみません…

   しばらくして

   ガチャッ

   控え室の扉が開いた。

係員:エール様、イワジル様、ヒイカ様。次の試合ですので、案内させていただきます。

エール:よぉしきたわよぉ♪

ヒイカ:(ところでこいつ、こんな大それた大会で銃殺でもするんじゃないでしょうね?もしそうなったら、私が止めなきゃね…)

   しばらく歩いて、やがて会場にたどり着いた。

客たち:ワーーーーーーーーーーーー!

エール:わぁ♪すごい歓声ね♪

イワジル:ひ、ひえぇぇ!

ヒイカ:うるさっ。

   そして

エール:そんじゃ、1番手は私がいっちゃいまぁす♪

   エールはスキップでバトルフィールドにあがった。

エール:私の相手はだぁれかなぁ?♪

大男:なんだぁ?俺の相手はこんな小娘かぁ?

   鍛えた筋肉を見せびらかすように大男がフィールドにあがった。

大男:言っておくが、手加減はしねぇぜ?

エール:よろしくねぇ♪

司会:準備はよろしいですね?バトル~…スタート!

   司会の合図とともに、バトルが始まった。

大男:うぉぉぉー!

   大男は始まったと同時に、拳を振り上げた。

大男:はぁぁぁぁぁ!!

   ドゴーン

   大男は拳をエールに振りおろした。

大男:ふっふっふ…はぁーっはっはっはっは!

エール:何が楽しいのぉ?

大男:何っ!?

エール:当たったと思ったのぉ?そんな大ぶりな攻撃が?

大男:避けていただと!?この小娘めがぁぁ!

   大男は拳をあげた。

エール:だからぁ、そんな大ぶりじゃダメだよ♪

   バン

   エールは大男の腹を撃った。

大男:ぐはっ!

   大男はそのまま吹き飛んだ。

ヒイカ:(今のは…銃弾じゃない!殺傷性のない弾!)

大男:ぐぐっ…小娘ごときが…なめるなよぉぉぉぉ!

   バン

大男:ぐあっ!

   立ちあがろうとした大男にもう1発撃ち込んだ。

エール:くすっ。だ・ま・れ♪

   大男は気絶した。

司会:勝者、エール選手!!

客たち:ワーーーーーーーーーー!!

   エールがフィールドから降りてきた。

ヒイカ:安心したわ。銃殺しなくて。

エール:さすがにこの中ではできないわぁ。一応これでも指名手配だしね♪

ヒイカ:指名手配犯が普通に参加してていいの?バレるわよ?

エール:だからぁ、誰も私を捕まえられないんだってば♪

ヒイカ:ふん、いつか足元すくわれるわよ。

エール:あなたがすくってみせてよぉ♪

司会:次の選手、バトルフィールドへあがってください!

イワジル:ど、どうします!?

ヒイカ:(こいつの実力を見たい気もするわね。)行っていいわよ?

イワジル:え、ぼ、ぼぼぼぼぼ僕ですか!?

ヒイカ:あんた何しにきたのよ。

イワジル:つ、強い人とチームになれたらいいなって…

ヒイカ:(ダメだこいつ。)じゃあ私が行くわよ…

   ヒイカは嫌そうにフィールドにあがった。

熊生物:わしの相手にはちと物足りんのぅ!

ヒイカ:熊ごときが偉そうに。

司会:準備はよろしいですね?バトル~…スタート!

熊生物:うぉぉー!

   熊生物は突進してきた。

ヒイカ:あまり実力を見せるのは…好きじゃないのよね。

   ヒイカは虹色の花弁を飛ばした。

熊生物:うわぁぁぁぁ!

   熊生物はフィールドから追い出された。

司会:勝者、ヒイカ選手!よってこの試合、赤コーナーの勝利!

客たち:ワーーーーーーーーーーー!

ヒイカ:(そういえば、ソルト&シュガーは観客席にいるはずよね。どこにいるのかしら?)

   ヒイカは観客席を見渡したが、もちろん見つかるはずもなかった。

   その後ヒイカたちは再び控え室へと戻った。

ヒイカ:(次にでもソルト&シュガーの場所確認したいわね。じゃないと、誰が残ってるのかもわからないわ。)

   そして三戦目勝利後

ヒイカ:(あ、いた。…あれ?)

   ヒイカが見つけたソルト&シュガーの近くに、ジャングとハリイノギョがいた。

ヒイカ:(ハリイノギョはまだしも、ジャングが負けたってことは、チームが悪かったのね。)

   控え室

ヒイカ:ってかこれって何戦すりゃいいの?

イワジル:ええと、今回は応募数が1536人まででしたので…チームが512、優勝するには、9勝です!

ヒイカ:先が思いやられるわね。特にあんた。

イワジル:ひぃっ!すみませんっ!!

ヒイカ:(そのうちネクリアたちともあたることになるのよね。まぁ、手加減はしないけど。いえむしろ、手加減したらやられるわね。)

   その後も順調に勝ち進み、7戦目へと突入した。

ヒイカ:(相手は…)

ネクリア:あら、あっち側にヒイカがいるじゃないの。

ヒイカ:(嫌なとこで当たるわね…。だとしても、ネクリア自身と戦うより、周りの二人を倒す方が楽よね。)

エール:あれぇ?あの人ってー

ヒイカ:ええ。できればネクリアと真正面からぶつかるのは避けたいわ。ネクリアのことだから、先発でくることはまずないわ。

エール:そんじゃ、私から行くね♪

ヒイカ:(ネクリアとエールは当たらないで…最悪私自身がネクリアと…!)

   エールがフィールドあがると、相手もあがってきた。

?:なんだぁ?俺様の相手はあいつじゃねぇのかぁ?

   エールの相手は、2メートルはあろう大きな体、両手は鞭状になり、牙が大量に生えた口を持った生物だった。

ヒイカ:(ん?見覚えあるような?ま、気のせいね。)

司会:準備はよろしいですね?バトル~…スタート!

エール:速攻で決めちゃうよぉ♪

   エールは大き目の銃を取り出した。

エール:そぉれ♪

   ドッカーン

   巨大な弾は、相手にまっすぐ飛んで行った。

?:『怨念の鞭!』

   バシィッ

   相手は鞭で弾を弾き飛ばした。

イワジル:わわっ!す、すごいですね…

エール:じゃあじゃあ、これなんてどぉ?

?:俺様の攻撃も受けてみな!『ファイア!』

   ゴォーッ

   相手は大きな口から炎を吹いた。

エール:あっつーい!!

   エールは避けたが、少し当たってしまった。

ヒイカ:(やっぱどっかで見たことあるような…)

?:はっはっは!やっぱり俺様は最強だ!

エール:最強なんて…いないのよ?

   バン

?:ぐっ!

   相手は右足を撃たれ、バランスを崩した。

エール:いくよぉ♪

   ドドドドドドドドドド

   エールはマシンガンで連射した。

?:ぐあああああああああっ!

   相手は倒れた。

?:いてぇぇ…このやろう!

エール:ばいばい♪

   バン

?:ぐあっ!

   エールは追いうちをかけた。

?:ちく…しょぉぉ…

司会:勝者、エール選手!

客たち:ワーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

ネクリア:(まずは相手に先制された。こうなったら、私が行って流れを変えるしかないわね。)

ヒイカ:(こっちのチームは私が行けば比較的早く決着がつく。けど、追いつめられたことによってネクリアが来る可能性が高い。裏を取って弱い奴を出したんじゃ、本末転倒。つまり…必ずネクリアが来る。)

ネクリア:(私が行くと予想してヒイカは私から逃げるようにもう一人を出すに決まってる。私だってヒイカと真正面からぶつかるのは避けたい。でも、ぶつかってでも終わらせたいなら別…恐らくここまでヒイカとエールの実力のみであがってきてる。弱い奴でわざわざ様子を見るような面倒なマネをする?)

ヒイカ:(でもさっきのでかいのはそこまで強くなかった。つまり、もう一人強いのが残ってる可能性もある。その場合、ネクリアとどちらが安全か…幸いエールが勝てたから、私が行けば勝つのは簡単だけど…ネクリアは昔戦った時とは違う。彼女は強さを求め続け、今なお進化し続けている。今のネクリアとぶつかるのは、あまりにもリスクが大きすぎる!)

ネクリア:(あっちもフィールドに出る準備ができてないということは、ヒイカも考えているということ。どうやって私と当たらないで、もう一人と当たろうか考えてるのね。)

ヒイカ:(私がネクリアと当たりたくないってのはネクリアもわかっているはず。ただ、あっちからすれば2勝しなくてはならない状況。エールがいることで、私のチームが私とエールで勝ち抜いてきたことはバレている。つまりネクリアはもう一人でイワジルを倒したいと考えているはず。私を倒せる可能性があるのは、私の戦いを知っているネクリアしかいないから。)

ネクリア:(うちの先発があまり強くないことで、ヒイカは私じゃないもう一人の実力も警戒する。けど、それよりもやっぱり私とぶつかるよりリスクが低いと判断し、そっちとぶつかりたいと考えているはず。)

ヒイカ:(いつまでも考えているわけにもいかないわね。こうなったら…私が先にでて、たとえネクリアが相手でも倒すのみ!)

ネクリア:(長い時間考えてるわね、ヒイカ。でも、結局あなたは考えるよりも行動派。考えてる時間が長ければ長いほど、あなたがでてくる可能性は高くなる!)

ヒイカ:私でいいわね?

イワジル:は、はい!

ネクリア:ちょおっとまったーーーーー!!

ヒイカ:!?

   突然反対サイドでネクリアが叫んだ。

   客席

ジャング:(何やってんだあいつ…)

   ネクリアはフィールドにあがった。

司会:あ、あの~、あちらがまだ準備できてないようなので、まだ…

ネクリア:司会、マイク貸しなさい。

司会:はいっ!?

   ネクリアはマイクを奪い取った。

ネクリア:次の試合は私が出るわ!イワジル、出てきなさい!

イワジル:ぼ、僕ですかぁ!?

ヒイカ:(何考えてんのよ!?私を残りの奴と戦わせるつもり?)

ネクリア:(私と戦いたくないでしょう?いいわ、私も戦いたくないもの。だからこそ…あなたはうちのチームのあいつに倒してもらうのよ。あなたでも攻略不可能なあいつでね!)

ヒイカ:(いい度胸ねネクリア…その控えの奴、つまらなかったら消し去るわよ?)イワジル、ご指名よ。

イワジル:は、はいっ!

ヒイカ:(何を考えてるのかわからないけど、むしろ願ったり叶ったりよ。)

司会:それでは改めまして…準備はよろしいですね?バトル~…スタート!

ネクリア:『火の山地獄!』

   ネクリアは火の弾を投げた。

イワジル:ひぃぃっ!

   ゴォォッ

   火の弾は着弾と共に火柱をあげた。

ネクリア:『金の鳥飛翔!』

   大量の金の鳥がイワジルを襲った。

イワジル:いたたっ!つ、突かないでくださいっ!

ネクリア:じゃあ、さっさと終わらせちゃいましょうね。『月の光線!』

   ビィーン

イワジル:うわぁぁ!

   ネクリアから放たれた光線は、一直線にイワジルに当たり、イワジルはフィールド外に落ちた。

司会:勝者、ネクリア選手!

客たち:ワーーーーーーーーーーーー!

ヒイカ:(さぁ、あえて私に当てたそいつ、どれほどの実力なのかしら?)

ネクリア:任せたわよ、チクテキ。

チクテキ:…。…

   フィールドにあがってきたのは、小さい生物だった。

ヒイカ:(見た目は弱そうだけど、あえてネクリアが当てたんだとしたら、何かしらすごい能力があるはず…)

司会:準備はよろしいですね?バトル~…スタート!




                          続く
 

 

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‎2011‎年‎4‎月‎1‎日作成