「ハートマークは彼女のシンボル」
   大きな国を支配したヒイカたちだったが、突然現れた星の戦士によって国は取り戻されてしまった。
   そしてその者との死闘や共闘を繰り返し、結局決着は着かぬまま別れた。
ヒイカ:ふぁぁ…眠い…
   ヒイカは朝目覚め、眠い目を擦りながら起き上がった。
   近くには小さな川が流れ、爽やかな風が吹いている。
ヤズネ:おぉ、眠り姫がようやくお目覚めでやすね。
   丸い体をし、羽を生やし、目のような触覚と音符のような触覚を持った生物がヒイカに話しかけた。
ヒイカ:{この子はヤズネ。夜雀という妖怪で、元々は[五大狂能力]という狂気の力を持った五人の一人。}
   ヤズネは爪のついた手を思いっきり上にあげて背伸びをした。
ヒイカ:{ヤズネは元々人間を恨んでいて私を何度も殺しにかかってきていた。でも、とある事件でヤズネは五大狂能力としての能力を失った。細かく説明すれば長くなるけど、とりあえずヤズネは私につきまとってきている。}
ヤズネ:ねぇ虹使い?次はどこいくんでやす?
ヒイカ:別にどこだっていいでしょ?ってかあんたいつまでついてくるつもり?
ヤズネ:いつまでもついていってやるでやすよ~♪わちきはお前についていくって決めたんでやす!
ヒイカ:最初は本気で殺しに来てたくせに。
ヤズネ:ま、まぁ…昔の話はどうでもいいでやすよ。
ヒイカ:別についてくるのは構わないけど、その姿だと目立つのよね。どうにかならないの?
ヤズネ:ならないでやす。
ヒイカ:あっそう。
ヤズネ:あれ?それだけでやすか?
ヒイカ:無駄に目立つのは嫌いだけど、出来ないなら何言ったって出来ないんでしょ?
ヤズネ:まぁそうでやすけどー…でも、そこはもうちょっとこう…なんでできないんだー!とでもさぁー?
ヒイカ:んー…(どっち行こうかなー。)
   ヒイカはヤズネの話を聞かず、どこに行くかを考えていた。
ヒイカ:(よし、あっちに行こう。)
   ヒイカはヤズネを置いて歩きだした。
ヤズネ:あ、置いていくなー!
   ヤズネはふよふよと飛びながらヒイカを追った。
ヒイカ:(そういえばこの道…昔歩いたなぁ…そう、あれは…)
回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ネクリア:ヒイカ!ヒイカ!見なさいほら!川が流れてるわよ!
ヒイカ:ほんとね。
ジャング:ほんとですね!魚が跳ねてますよ!
ヒイカ:そうね。
ネクリア:とって食べたいわねぇ?
ヒイカ:そうね。
ネ&ジ:(暗い……)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ヒイカ:(あの時の私は、グランと愛別離苦したばかりで沈んでいたから、まともにネクリアたちと話もしなかったのよね…。って、別に愛別離苦じゃないけど。)
ヤズネ:どうしたんでやす?
ヒイカ:別にどうもしてないわよ。(所詮この世は会者定離。「好き」なんて感情は、もう二度といらない。)
   ヒイカは空を見上げながら歩いていた。ら…
   ドンッ
   誰かにぶつかった。
ヒイカ:あら、ごめんなさい。
ヤズネ:よそ見して歩いてるからでやすよ。
ヒイカ:うるさいわね。で、怪我とかはなかったかしら?
?:あァ?んなもんはねェよ。
   ぶつかった相手は人間の男の子で、鋭い目つきで睨みつけてきた。
ヤズネ:ひょえーっ。すごい眼力でやすね~。
ヒイカ:行くわよ、ヤズネ。
   ヒイカはまたヤズネを置いて行こうとした。
ヤズネ:あ、まてこら[虹使い]!
   ピクッ
?:おいお前らァァ!待ちな!
   先程の人間がヒイカたちを止めた。
ヒイカ:何かしら?一度過ぎておいていちゃもんはつけないでほしいわね。
?:そんなんじゃねェよ。それよりお前、今なんつった?
ヤズネ:今?すごい眼力だって言ったでやすよ。
?:その後だ!
ヤズネ:んおお?えーっと、まてこら虹使い?
?:虹…使い?違う…?
ヒイカ:何なの?何が言いたいの?もう行ってもいいのかしら?
?:いや、待て。虹…関係がないとは思えねェ。お前、[虹の子]って知ってるかァァ?
ヒイカ:え?虹の子?(こいつ、なんで私の昔の肩書きを知ってるの?まさか…あの国の隣国の刺客?でも、なんで今更!?しばらく来なかったから、もう諦めたのかと思ってたのに…)
   ヒイカは静かに戦闘態勢をとった。
ヤズネ:虹の子?おい虹使い、それってたしかお前の昔の…
ヒイカ:ヤズネ!
   ヒイカはヤズネを止めた。が、既に遅かった。
?:昔の?昔の…なんだ?もしかして…昔の呼び名ってかァァ?
ヒイカ:(あーあ、やっぱりバレた。仕方ない。刺客なら殺すまで…)
??:待って、警戒してる。
???:警戒をとけ。危害は加えない。
ヒイカ:え?
   人間の後ろから3匹の生物が現れた。
ペライト:オレタチハオマエヲタオシニキタワケジャナイ。ニジノコ、コウゲキシヨウトシナイデクレ。
ノット:わかる。まだ、警戒してる。
アルトア:確認がしたい、お前は虹の子ヒイカか?
   アノマロカリスのような生物、雲のような生物、頭に宝石を乗せた生物。
ヒイカ:…だったら何かしら?
ペライト:オオ!ミツケタゾ!ニジノコダ!
ノット:やった。ウミナギ。やったぞ。
ウミナギ:あァ。とうとう見つけたぞ虹の子ォォ…
   ウミナギと呼ばれた人間はヒイカに近づいた。
ヒイカ:(何かしら?)
ウミナギ:虹の子、お前に頼みがある。
ヒイカ:は?頼み?
ウミナギ:俺らの仲間になってくれねェかァ?
ヒイカ:断る。
ウミナギ:あァァ!?てめェェェ!
アルトア:落ち着けウミナギ。俺が話をつける。
   頭に宝石を乗せた生物が話を始めた。
アルトア:まずは自己紹介をさせてもらう。俺はアルトア。こっちの雲みたいなのがノット、もう一人はペライト、この人間の姿の妖怪はウミナギだ。
ヤズネ:わちきはヤズネでやすよ~♪
アルトア:俺達は虹の子の存在を知り、是非とも仲間にしたいと思って行動している。
ヒイカ:悪いけど、何を言おうと私は断るわ。大体、そんな喧嘩腰でこられたんじゃ、仲間になる気も失せるわよ。
ウミナギ:ちッ。だったらよゥ…俺がこいつを…
アルトア:待てウミナギ。早まるな。出来れば仲間にしたい。お前の主、ネクリアはそう望んでるんだろう?忠実に守るんだろ?
ヒイカ:(……ん?ネクリア?)
ウミナギ:うゥ…くそッ!
ヒイカ:ちょっとまって…あんたらの主、誰って言った?
ウミナギ:あァ?ネクリアだぜェェ…
ヒイカ:ネクリア…ねぇ……
   ネクリア、それは昔ヒイカと共に旅をした(契約上は)ヒイカの手下のことである。
ヒイカ:あーうん、ネクリアはどこにいるのかしら?
ウミナギ:あァ?わかんねェよ。もう随分会ってねェしなァ。
ヒイカ:はぁ…手下の管理くらいちゃんとしてなさいよね、まったく。
アルトア:どういうことだ?話が見えない…
ノット:ネクリア、知り合い?
ヒイカ:どうせネクリアのことだから、虹の子を探せー!とか言って手下たちに探させて、そのまま忘れてるんでしょ?
ペライト:ワスレテル…ノカナー?
アルトア:それで、ネクリアと知り合いなのか?
ヒイカ:知り合いも何も、普通に一緒に旅してたわよ。
ウ&ペ&ノ&ア:はぁーーーッ!!??
ウミナギ:ちょ…待てェ…どういうことだァァ!?
ヒイカ:ええと、まず簡潔に説明するなら、多分あなたたちと別れた後、私はネクリアに会いました。そして一緒に旅をして、一つの国を支配しました。そしてその国を返して、また別れました。以上。
ペライト:オレタチ、ソンナハナシキイテナイ!
ノット:初耳。
ウミナギ:ん?じゃあよゥ、お前はネクリアの仲間になったってことだよなァ?
ヒイカ:契約上は手下だけど、まぁ仲間って呼んでもいいわ。ネクリアならね。
ペライト:ナカマニデキテル!セイコウシテルヨ!
アルトア:ああ!虹の子を仲間に出来たんだ!
ノット:やった。これで世界、もらった。
ウミナギ:へへッ…なんだよ、あいつも教えてくれりゃあいいのによゥ…
ヒイカ:あー…でも、世界はしばらく滅ぼさないわよ?
ウミナギ:…あ゙?
ヒイカ:しばらくは…旅を続けようと思うの。目的もなく。あの子との戦いも一段落つけたことだし、今は何も考えることなく…ね。
ヤズネ:残念だったでやすね。今虹使いは戦闘の事は忘れてのんびり旅がしたいとこなんでやすよ。お前たちに付き合ってる暇はないんでやす!
ヒイカ:いや別にそこまでは言ってないけど。
アルトア:どうする?ウミナギ。
ウミナギ:……ォォ。
アルトア:え?
ウミナギ:ふざけんなよォォォォ……てめェはァァ…世界を滅ぼす虹の子だろォォ?てめェの役目はァァ…この世界を滅ぼすことだろォがァァァァ!!
アルトア:まずい!「犬神」が暴走するぞ!
ヒイカ:犬神?
ヤズネ:犬神だって!?
ヒイカ:知ってるの?
ヤズネ:恨みや怨念を力の源とする妖怪でやすよ。本来は犬神憑きっていう憑き物だけど、これはおそらく…憑き物の血が変な反応を起こして出来上がった妖怪犬神!
ウミナギ:てめェはァ…そんな力を持ってるくせに使わねェェェ…俺の力はそうじゃねェ。そんな力はねェ。てめェは世界を滅ぼすほどの力を持ってるくせに何故使わねェんだよォォォ!
ヒイカ:だからー、今は世界を滅ぼす気がないんだってば。
ウミナギ:てめェは役立てるだろォがァァァ…俺は、俺の力は役に立たねェ。ネクリアの牙には慣れても、力にはなれねェんだよォォォォ!!てめェはその力を持ってる!なのに使わねェ!役に立てるのに!!
ヤズネ:随分と興奮してるでやすね…なんか恐ろしいでやす…
ヒイカ:あんたの方が元々恐ろしいっての。
ウミナギ:妬ましい…恨めしい…てめェが、てめェの能力が…俺は、そんなもん持ってねェ。だからこの程度しかできねェ。てめェは出来る!なのに!
ヒイカ:勘違いしているようね。私はネクリアと同じ考えよ。今は世界征服は諦める。ネクリアだってそう言ったのよ。
ウミナギ:嘘だッ!ネクリアが諦めるはずがねェ!
ヒイカ:諦めてないわよ。今は、って言ったでしょ?
ウミナギ:うるせェェェ!
ヤズネ:聞く耳持たずでやすね。どうしやす?
ヒイカ:面倒だし、あんたアレ使って。その隙に行きましょう。
ヤズネ:お、んじゃあ遠慮なく~♪
アルトア:(なんだ?虹の子と一緒にいた鳥…?いや何だ?)
   ヤズネはふよふよとウミナギたちに近づいた。
ヤズネ:ねぇお前、騒音と防音どっちが好き?
ウミナギ:あ゙ぁ゙?何の話だァァァ?
ヤズネ:おー怖い怖い。どっちでもいいなら…楽なのはこっちでやすねぇ。
ウミナギ:てめぇから喰ってやろォかァァァァ!!
   ・・・・・・・・・・・・
ウミナギ:あ゙?なんだァァ?(自分の声が聞こえねェ…?)おいアルトアァァ!
アルトア:~~~~~~~~~
ウミナギ:(音が…何も聞こえねェ!?)
ヤズネ:さぁ…次はその目も貰おうかな~?
   フッ
   ウミナギの目の前は真っ暗になった。
ウミナギ:なんだァァ!?(目が見えねェ!)
ヤズネ:足掻いても無駄でやすよ。お前達の目と耳はもう…わちきのもーの♪
ヒイカ:4人ともしたの?
ヤズネ:もちろんでやす。そこのよくわかんないのも全て。
ヒイカ:そう。それじゃ、今のうちに移動しましょう。ネクリア本人じゃないと言う事聞きそうにないもの。
ヤズネ:そうでやすね。
   ヒイカたちはその場を離れようとした。
ウミナギ:『犬戻り道!』
ヒイカ:止まって!
   ヒイカはヤズネを止めた。すると、目の前に針の山が現れた。
ウミナギ:逃がさねェェェぞォォォォ…
   ウミナギはヒイカたちのいる方向を見ていた。
ヒイカ:ヤズネ。こいつの目、見えてるの?それとも聞こえてる?
ヤズネ:いや、そんなはずはない…わちきの技は完璧だから、見えても聞こえてもいないはず…
ウミナギ:動かなくなったなァァァ。俺がてめェらの居場所がわかるのが不思議ってかァァァ?教えてやろォかァァ?
ヒイカ:ヤズネ。音を聞こえるようにしてあげて。会話が成り立たないわ。
ヤズネ:ん?わかったでやす。
ヒイカ:もう聞こえるかしら?
ウミナギ:あァ?音が聞こえる…?
ヒイカ:そうしてあげたのよ。それで、何だって?
ウミナギ:俺は仮にも犬だ。嗅覚は優れてんだよォォ。あと、お前らみたいな巨大な力は、気配を感じるからなァァァ。
ヒイカ:案外普通の答えね。つまらないわー。
アルトア:あともう一つある。
   アルトアたちが前に出てきた。
ノット:俺達、憑き物。憑き物、術系、効かない。
ヒイカ:なるほどね。憑き物って便利ね。
ヤズネ:で、どうするんでやす?こいつら追い払うなら、あの技使うでやすよ?
ヒイカ:たしかに、あの技なら憑き物もろともね。でも私にも影響あるじゃないの。
ヤズネ:橋作ればいいじゃないでやすかー。
ヒイカ:まぁそうだけど。
ウミナギ:何の話してやがんだァァァ?
ヒイカ:こっちの話。
ペライト:コッチッテドッチ?
ヒイカ:そっちじゃない?
ペライト:オオ、ソッチカ!
ヒイカ:そうよ、そっちよ。
ヤズネ:ノリいい奴でやすね~。
ウミナギ:はッ…はッ…
ヒイカ:(にしてもコイツ、ひどい殺気ね。ネクリアには悪いけど、仕留めさせてもらうわ。)
   ヒイカは手を掲げた。
ウミナギ:あ゙ぁ゙?
ヤズネ:んおお?(虹の滝でやすね。離れなきゃ巻き添えでやすね~。)
   ヤズネはヒイカの後ろに下がった。
ウミナギ:(何か来る…だが、こいつは俺がどんな妖怪なのか知らねェ。その後、喰ってやるぜェェ…)
ヒイカ:くらいなさい。
   ガシッ
ヒイカ:!?
   ヒイカは後ろから手を掴まれた。
ヒイカ:こらヤズネ!邪魔しないでよ!
ヤズネ:えぇ!?わちきじゃないでやす!
ヒイカ:じゃあ誰だってのよ!
   ヒイカが振り向くと、長い黒い髪の少女がいた。
謎の女:ここを荒らしてはいけない。
ヒイカ:あら、離れてないと危ないわよ?
謎の女:この綺麗な空気を穢すのを、黙って見てろというの?
ヒイカ:だったらあの犬に言いなさいよね。喧嘩売ってきてんのはあっちなんだから。
ウミナギ:あァ!?
ヤズネ:お前、ここらに住んでるんでやすか?
謎の女:いいえ、私はどこにも住んでないわ。
ヤズネ:おぉ、旅人でやすね♪わちきたちと一緒!
ヒイカ:住んでるわけでもないのにどうして止められなきゃいけないのかしら?あなたにとってはどうでもいいでしょ?
謎の女:ダメよ。ここは私にとってのオアシス。穢されてしまっては、またあの世界と同じになる。
ヒイカ:はぁ?あんた何の話してんのよ?
謎の女:結論を言うなら、穢さないでってことよ。
ヒイカ:あーもううるさいわね!一瞬で終わるからいいでしょ!
ヤズネ:バトルマニア…
ヒイカ:何か言った?
ヤズネ:い、いや…
謎の女:一瞬でもダメなものはダメ。玩具は黙って言う事聞きなさい。
ヒイカ:誰が玩具だって?あなた、相手は選んだほうがいいわよ?あんたを消すことだって簡単なんだから。
謎の女:怖いわね。でも、それでこそ遊び甲斐がある…
ヒイカ:(何なのこいつ…)今日は朝から変なのばっかりね。
ヤズネ:仕方ないでやすね~。わちきが何とかしてやるでやすよ。
謎の女:オプションはいらない。私の玩具はあ・な・た
ヒイカ:はぁ、もういいわ。あんたから消してあげる。
謎の女:いいわね。楽しみ…
ヒイカ:攻撃を受けるのが楽しみなの?変わってるにもほどがあるわ…
謎の女:攻撃を受けるのが楽しみだなんて言ってない。ただ、玩具が遊び甲斐があるから…ね。
ヒイカ:さっきから玩具だの遊び甲斐だの、あんたさ、ゲームか何かと勘違いしてるんじゃないの?言っておくけど、私の攻撃を受けるってことはゲームオーバーとは違うの。コンテニューもスタートからやり直すことも出来ない。
謎の女:わかってるわ。だからこそ、この一度きりの人生…玩具で遊ぶんじゃない?
ヒイカ:あーもうわっけわかんない!消え方は高出力エネルギーか貫かれるか切り裂かれるか、自分で選びなさい。
謎の女:まだ消えるつもりはない。だって、ここで消えちゃったら玩具で遊べないでしょ?
ヤズネ:(うーわー、この電波うざっ。私が仕留めちゃってもいいけど、音波調整神の力は虹使いの許可なしには使わないって決めたしなぁ~…)
ヒイカ:それで、結局あんたは何が言いたいのよ?
謎の女:私の言いたい事は二つ。空気を穢さないで欲しいってことと、新しい玩具…つまりあなたを大切にしたいな…って
ヒイカ:あんたなんかに大切にされなくても私は生きてるっての。
謎の女:知ってる。でも、いくら強くても勝てないものはある。
ヒイカ:あんたやっぱ私の力ナメてんでしょ、私が負けるもんですか!
謎の女:それに気付かないなら、あなたはただの井の中の蛙。大海を知らない愚かなる蛙。海は目の前にあるはずなのに気付かない、気づこうとしない。
ヒイカ:ふん、あんたの方が蛙だってことを教えてやるわ。
謎の女:ええ、教えてほしい。私はまだ外に出て間もない…あなたはどんな事を教えてくれるのか…楽しみにしてるわ。可愛い破壊兵器さん。
   スッ
   謎の女は消えた。
ウミナギ:あァ!?消えたァァ?
ヒイカ:ワープの類が使えるのね。(それより、破壊兵器?まさかとは思ったけど、やっぱり虹の力について知ってるみたいね。まったく、面倒な奴が現れたものね。)
ヤズネ:っていうか結局状況変わってないでやすね~。
ヒイカ:それもそうね。でもなんかやる気失せたわ。ねぇ犬、今日はもういいでしょ?というより、ネクリアを一緒に探しましょう?それなら話がすぐにつくわ。
アルトア:名案だ。こちらとて元々戦いたかったわけじゃない。
ヤズネ:んおお?いいんでやすか?
ヒイカ:面倒だからいいわ。ただ、変な事をしようとしたらすぐに消す。わかった?
アルトア:わかった。ウミナギにも俺達からきつく言っておこう。
ウミナギ:あぁッ!?
ノット:ウミナギ、まずは、落ち着こう。
ウミナギ:ちッ!
ヤズネ:ほんとお前って可愛げないでやすね~。
ウミナギ:あァ!?
ヤズネ:お~、怖いでやすね~。
ヒイカ:さて、まずはネクリア探しからしないきゃいけなくなったわけだけど、どこにいるかとかわかんないの?
ペライト:ワカラン。
ノット:まったく。
アルトア:検討もつかないな。
ヒイカ:(こいつら…)
ヤズネ:よぉーし!わちきについてこーい!
ヒイカ:なんであんたが仕切るのよ。
ヤズネ:えー。
ヒイカ:だったら勝手にしなさい、面倒ねー。
ヤズネ:よっしゃー!わちきについてこーい!
   ・・・・・・
ヤズネ:なんで誰も返事しないし!!
ノット:ついていく理由、ない。
ペライト:ソウダナー。
ヤズネ:うにゃああああ!お前ら狂わせてやるぅぅぅ!!
ヒイカ:はぁ。
ヤズネ:ぅおい!なんで溜息つくだー!!
ヒイカ:ほら犬、行くわよー。
ウミナギ:命令口調で話してんじゃねェ!
   ヒイカとウミナギは歩きだし、三憑たちもついていった。
ヤズネ:あっ!わちきを置いていくな~!!
   ヤズネは急いで追って行った。
                             続く
 
2011年3月4日作成