19 虹が彩る世界

   ミョンガーたちと離れて2カ月が経つ頃。

   ネクリアたちはついに虹の子の足取りを掴んだ。

   それは、「西の町で虹の子が、村を牛耳っていた悪魔を消し去った」というものだった。

   しかし、もうひとつあった。「南の町で虹の子が海岸で刺客たちの色を奪い去った」というもの。

   どちらの情報も少しヤバめな裏情報から入手した。

ネ:どうしましょうか。どっちに行くべきだと思う?

ジ:わざわざ悪魔を消し去る必要はなさそうなので、そちらはデマだと考えると、南の町ですね。

ネ:でも、やっとの思いで手に入れた虹の子の情報よ?ほんの少しでも逃すわけにはいかないわ。

ジ:だったら…俺が南に行きましょうか?

ネ:じゃあ、私が西ね。

ジ:それでいいですね。

   ネクリアたちはあっさりと別れ、それぞれ虹の子の情報があった町へと向かった。

   一方その頃ミョンガーたちは…

ミ:何もないね~。

ハ:わいらって結局なんもしてへんな~。

ミ:だね~。

ハ:ほんじゃまぁ、まずはねまっか。

ミ:そうだね~。

   虹の子の情報を得られなかったミョンガーとハリイノギョはまったりと南の土地を満喫していた。

ウ:zzz…

ア2:zzz…

ペ:zzz…

ノ:…

   北へと行ったウミナギたちは、虹の子の情報を得るためにホテル等を転々と周り、調べつつ1日18時間睡眠で行動していた。

   もちろんそんな行動で虹の子の情報が得られるはずもなかった。

   そして…西の町へと向かったネクリアは…

ネ:(んー…この町のはずだけど、特に何もないわね。やっぱジャングの言った通りデマだったのかしら?)

   ネクリアは諦めて西の町を去り、ジャングの向かった南の町へと向かった。

   しかし、その途中の町で…

人:聞いたか?

人2:ああ、聞いた聞いた!

人3:食堂でタチの悪い輩を、「虹色の音符を使う少女」が追い払ったんだろ?

人:そうそう!すごいよな!

ネ:なんで…すって…!?ちょっとあんたら!その話詳しく聞かせなさい!!

   「虹色の音譜を使う少女」。ネクリアは感じ取った。それは虹の子に違いない。と…

ネ:(まだ昼の出来事…だったら、まだこの町にいるはず!)

   ネクリアは町の人々に聞きまわり、虹の子がどこにいるのか探した。

   そして、とうとう居場所を突き止めた。

   町のはずれに住む男の子が、その少女を家に連れて帰ったというのだ。

   ネクリアはその家に向かった。

ネ:この家ね…(ここに、探し求めた虹の子がいるのね…)

   ガチャッ

   家から誰かが出てきた。

?:ふぅ。今日中にこの町を出なきゃね。

ネ:(少女!!)うふふ。見つけた…虹の子。

少女:誰?

ネ:私は魔女ネクリア。虹の子がこの町にいるって聞いてね。(この町にいることを知ったのは今日だけどね。)

少女:誰に?

ネ:今日食堂で騒いだんですってね。虹色の音符で悪い奴を倒した子供がいるってね。

少女:それで、わざわざ探してたってこと?ずいぶん手間のかかることをしてたのね。

ネ:ねぇ。あなたの名前はヒイカなの?

少女:そうよ。

ネ:嘘ね。

少女:どうして?

ネ:言葉だけではわからないけど、本来のあなたの名前は…緋衣香。違う?

少女:…よく調べたものね。

ネ:これくらい容易いわ。大きな国を破壊した子の名前くらい知ってるわ。(まぁ全部あの書物のお陰だけどね!)

少女:!

ネ:ねぇ…私と手を組まない?


   ネクリアは、ついに虹の子に出会うことが出来た。

   この先…この虹の子との出会いがネクリアの人生を大きく変えた。

 

   こうして、魔女ネクリアと虹の子ヒイカの奇妙な物語が始まった────

 

 

                                  END

 

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2011‎年‎3‎月‎4‎日作成