16 葉が積もる冬

   南の海

ミ:海だね~。

ハ:せやな~。

ミ:そういえば君に最初に会ったのも海だったね~。

ハ:せやなぁ~。

ミ:これからどうしよっか~。

ハ:どないしようかな~。

ミ:とりあえず泳ごうか~。

ハ:あんさん泳げるん?

ミ:泳げるよ~。

ハ:せやったらこの前沈んだ時に助けた意味ないやん。

ミ:あの時は焦ってたからね~。

ハ:あんさんも焦ることあるんやな~。

ミ:あるさ~。

   東の町の先の林

ネ:これからどうしましょうかしらね~?

ジ:そうですね。とりあえず北と南はあいつらに任せてますから、この東エリアを探すしかないでしょう。

ネ:…

ジ:何ですか?

ネ:やっぱあんたが敬語って変な感じね~。

ジ:時期になれるさ。

ネ:そんなもんかしらね?

ジ:そんなものです。

   ざわざわ

   林の先で何やら人が賑わっていた。

ネ:何かしら?

ジ:行ってみますか?

ネ:そうね。

   ネクリアたちは近づいた。

ア:刮目したまえ!僕の研究の成果を!

   そこには、例の薬品で植物を生物に変えていたアンプがいた。

ネ:あ、あんた。

ア:あーっ!お前らは…!

客:なんだなんだ?

ア:ここで会ったが百年目!今度こそお前達を倒してやろう!

ジ:面倒な奴に会いましたね。

ネ:そうね。てきとーにあしらいましょう。

ア:ふふふ…あしらうなんてさせないぞ。僕の研究はさらなる進化を遂げたのだ!刮目せよ!

   アンプはまた試験管を取り出し、おもむろに木にぶっかけた。

   ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ア:さぁ!そいつらを倒せ!木の怪物よ!

   元々大きかった木はさらに大きくなり、とてつもなく巨大な怪物となった。

客:わー!逃げろー!

   アンプの実験を見ていた人たちは逃げて行った。

ア:おっと、僕も離れないと巻き添えを喰らいそうだな。

ネ:にしてもアンタ、学習しないわねぇ。

ア:え?

ネ:前の時、花だからジャングに斬られたんじゃなかったのかしら?

ジ:このくらいの木…簡単に刻めますよ。

ア:今回の薬をそんじょそこらのと同じだと思ったら大間違いだ!いけ!木の怪物よ!

ネ:ジャング。

ジ:はっ。『ナイフ微塵斬り!』

   ジャングは木の怪物を連続で斬りつけた。

ジ:(何だ?手応えがなさすぎる…)

ア:たしかに、前回はそのナイフにやられた。だが、今回は違うのだ!僕の研究はまさに神の域!

   木の怪物は平然と立っていた。

ジ:ネクリア様、俺のナイフは通用しないようです。

ネ:そうね、じゃあどうしようかしら?

ジ:そうは言っても相手は木。相剋の金で刻めないのならば?

ネ:相生の火の力でパワーアップね。『火の山地獄!』

   ネクリアは木の怪物の根元目掛けて火の球を投げつけた。

ア:火!?

   ボォォォォォォッ

   木の怪物は下から徐々に燃えていった。

ア:火は卑怯だぞ!あちちっ!

ネ:卑怯って言われてもねぇ~。

ジ:薬品で植物を生物にしてる方が随分と卑怯な気がしますけどね。

ネ:そうよね~。

ア:くそくそっ!覚えてろー!

   アンプは走って逃げていった。

ジ:あれはあいつの捨て台詞なんですね。

ネ:そんな感じね。前回の捨て台詞覚えてないけど。

ジ:っていうか俺達、こんなに呑気でいいんですか?

ネ:いいんじゃないの?まったりな旅っていいじゃない。

ジ:あまりにもまったりするなら別行動させてもらいますよ?

ネ:あら寂しい。

ジ:絶対思ってませんよね。

ネ:まぁね♪

 


                                   続く

 

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2011‎年‎3‎月‎3‎日作成