ネ:四天王って響きよくない?
ジ:はぁ?
前の町を出て森に来た所で、ネクリアは唐突にそんな事を言いだした。
ミ:四天王って何~?
ハ:あれやろ?4人の天の使い。
ウ:あァ?4人の王様じゃねェのか?
ジ:四天王ってのは、四方を守る守護神。上の者を守る4人って意味で捉えていいな。
ハ:なんや。せやったら、丁度4人おるやん。わいと…
ミ:僕と~…
ウ:俺と…
ジ:…え?俺!?
ネ:あら!四天王完成ね!
ジ:ちょっとまて!俺はネクリアの手下じゃないぞ!?
ウ:あァ?そうなのか?
ミ:てっきり手下なのかと思ったよ~。
ジ:違う!俺は仲間なだけで手下じゃない。
ネ:いいじゃない、この際手下で。
ジ:よくない。
ウ:そこまで拒絶する必要あんのかァ?
ミ:別にネクリアって命令口調じゃないし、対して今までと変わらないと思うよ~?
ジ:それはわかっている。ネクリアの事はお前達より知ってる。だがそれだけは出来ない。
ハ:なんや?ええやん、手下になったりーや。
ジ:手下になるくらいなら…俺はここで別れさせてもらう。
空気が急に重くなった。
ハ:あんさん…そこまで言わんでもええんやないか?冗談キツイわ~。
ジ:…
ジャングはその場を離れようとした。
ミ:どこ行くの~?
ジ:少し一人にさせてくれ。
ジャングは森の奥へ歩いて行った。
ネ:さて…と。じゃあここで休憩でもしましょうか。
ハ:追わんでええんか?
ネ:すっかり忘れてたわ。あいつの事…
ハ:あいつって?
ネクリアは座って語り出した。
ネ:ジャングは、私が半分強引に連れだしたのよ。
回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
とある国
ネ:ここはどんな国かしら?
その国は砂の国で、王女が仕切る国だった。仕切ると言っても支配しているわけではなく、いい国だった。
ネ:王女…ね、一度会ってみたいわね~。
ネクリアは城に忍び込もうと思い、力を蓄えつつ城に向かった。が…
ネ:え?自由に入れるの?
門番:はい。この城はどなたでも自由に入れますよ。もちろん旅人も例外ではありません。
ネ:あらそう?じゃあ王女に会ったりも出来るのかしら?
門番:それは出来ません。王女の部屋に入るには、側近であるジャング様の許可が必要です。
ネ:側近ねぇ…
ネクリアはとりあえず城に入った。しかし、王女に会うために側近の許可が必要だが、理由もないのに合わせてくれるはずもない。
ネ:じゃあ…方法は一つよね。
その方法とは、やはり忍び込むことだった。ネクリアは監視の目を潜り、王女の部屋に近づいた。
ネ:(この部屋ね。どうやら側近もいないみたいだし…突入よー!)
ネクリアは扉に近づいた。
ネ:!?
ネクリアは気配を感じてとっさに止まった。すると、目の前の地面にナイフが数本刺さった。
ネ:(あっぶな~…このまま近づいてたら血塗れね。と、それより…)誰かしら?
ジ:誰か?それを聞くのはこっちだ。
どこからともなくジャングが現れた。
ジ:この部屋は王女の部屋。それを知っての行動か?
ネ:あら、そうだったの?迷っちゃいました~…なーんてことは…
ジ:そんな嘘は通用しない。ここまでの警備は厳重だ。その監視を潜りぬけてきたのなら…わざわざ来たとしか思えないな。
ジャングはナイフを構えた。
ジ:答えろ。王女に何の用だ。答えぬのならこのナイフがお前の身体を貫く。
ネ:あらあら、物騒じゃないの。あいにく私は特に用はないのよね~。ただ、ちょっと興味があったから寄っただけよ。
ジ:そんな嘘…
ネ:嘘じゃないわよ。命かけてまで会いたいとは思わないし、ここで引き返すわ。
ジ:…
ジャングは疑いの目でネクリアを見つめた。
ネ:信用してくれてないみたいね。
ジ:当然だ。
ギィッ
その時、王女の部屋の扉が開いた。
王女:ジャング。おやめなさい。
ジ:リッパー様…
ネ:あなたが王女ね。お会いできて嬉しいわ~。
王女:ようこそ。どうぞ、入って。
ジ:リッパー様!?何を…
王女:大丈夫よ。この人の目は信用できるわ。それより、紅茶でもご用意して。
ジ:…畏まりました。
ジャングは静かに下がった。
王女:どうぞ。
ネクリアは部屋に入り、椅子に座った。
ネ:こんな見ず知らずの者を入れてもいいの?もしかしたら刺客かもしれないわよ?
王女:それはないわ。あなたの目を見る限りね。
ネ:目?さっきから目ばかり…何か目にあるの?
王女:ええ。私は目を見るだけでその人のことがわかるの。どんな人なのか…ね。
ネ:あら?でも私の目を見る前にあなたは出てきたわ。それはどういうことかしら?
王女:あなたが入ってきた扉を御覧なさい。
ネクリアは、入ってきた扉を見た。
ネ:え?扉は…どこ?
そこには、廊下しか見えなかった。
王女:驚いてくれた?この扉はマジックミラーのように、片側からは反対が見えるのよ。
ネ:なるほどね…それで私の目を見たのね。
王女:そういうこと。それで?どういう御用件かしら?まさか本当に何もないのかしら?
ネ:ええ。何もないわ。さっきこの国についたばかり。この国は穏やかでいい国だから、どんな人が仕切ってるのか見てみたかったのよ。
王女:そうだったの。だったら満足いただけたかしら?
ネ:そうね。もう十分だわ。
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ハ:なんや?そのまま帰ってしもたんか?特に何事もないやん。ジャングはんと敵対しまくりやん。
ネ:ええ、その時はね。
ミ:ねぇねぇ…ウミナギは~?
ハ:ウミナギはんならそこに…っておらんな。
ネ:そのうち帰ってくるでしょ。
ハ:せやな。それより続きや!
ネ:はいはい。
続く
2011年2月28日作成