07 日が妖しい朝

ハ:憑き物?どう見ても見えとるやん。

ジ:おそらくあれは犬神憑き。犬神に乗り移られた側だ。犬神憑きは異常な精神状態になるとされる。

ハ:なるほど。せやったら、あのウミナギはんから犬神を追い出せばええんやな?

ジ:…それで済めばいいけどな。

ハ:え?

   ネクリア側

ウ:はァ…はァ…憎い…

ミ:どうするの?

ネ:とりあえず、てきとーにあしらってあっちと合流しましょう。

ミ:おっけ~。じゃあ、仕掛けていいよね?

ネ:いいわよ。

ミ:そんじゃいっくぞ~。

   ぐぐっ

   ミョンガーは足を縮めた。

ミ:『ストライクキック!』

   ドガッ

   ミョンガーは足を伸ばしてウミナギを蹴り飛ばした。

ウ:いてェェ…なァァ…このやろォォォ…!

   ウミナギはゆっくりとネクリアたちに近づいた。

ネ:気味の悪いやつねぇ。ミョンガー、遠慮することないわ!

ミ:おっけ~!

   びょ~ん

   ミョンガーは高く跳ねた。

ウ:あ゙ぁ゙?

ミ:『スーパーヒールダウン!』

   ドゴッ

   ミョンガーは高い位置からウミナギの後頭部目掛けてかかと落としを喰らわせた。

ウ:いでっ!

   ウミナギは前のめりに倒れた。

ミ:今度こそ平気ではいられないでしょ~。

ネ:さて、それじゃあジャングたちと合流しましょう。

   ペロッ

ネ:え?

   ネクリアはまた殺気を感じた。

ウ:ハハっ…馬鹿な奴らだなァァ。何も知らずに俺に攻撃しやがってよォォ。

ミ:ん~?何かあるの~?

ウ:ハハハっ…覚悟しろォォォ!!

   ウミナギはネクリアに向かって突進してきた。

ミ:危ない!

ネ:『金の鳥飛翔!』

   ネクリアは大量の金の鳥を飛ばした。

ウ:あ゙ぁ゙!?なんだこりゃァ!?

   金の鳥はウミナギの動きを止めた。

ウ:邪魔なんだよォォォ!

   ウミナギは爪で鳥たちを切り裂いていった。

ネ:長くはもたないわね。(ここで一気に仕留めた方がよさそうね。)

   ネクリアは手を構えた。

ウ:消え失せろォォ…『マーリススカーター!』

   ウミナギから紫色の煙が撒き散らされた。

ネ:(何をするつもり?)

   煙はネクリアの金の鳥たちを包み込んだ。

ウ:お前たち…あいつらを喰えェェェ!

   煙が晴れると、金の鳥たちは消え、代わりに紫の犬たちがいた。

   犬たちはネクリアたちに向かって走り出した。

ミ:数が多いよ~!

ネ:だったらこっちも数よ!『金の鳥飛翔!』

   ネクリアは金の鳥を大量に飛ばした。

ウ:バカめェ…『マーリススカーター!』

   ウミナギはまた紫の煙で金の鳥を包み込んだ。

ウ:お前達はァァ…俺には勝てないんだよォォォ!

   煙が晴れ、また紫の犬たちが現れた。

ミ:どんどん増えるよ~!

ネ:(鳥たちが消えて犬が現れる?マーリス…malice…恨み?)鳥たちを犬に変えてる…?

ウ:そうだァ。俺の能力は、相手が強ければ強いほど強くなる!

ネ:厄介な技ね!ミョンガー、あの犬たち蹴散らせる?特殊技とかもダメかもしれないわ。

ミ:やってみるよ~。

   トン トン

   ミョンガーは左足のつま先で2回地面を蹴った。

ミ:いっくよ~!『シークェンツキック!』

   ドカカカカカッ

   ミョンガーは連続で犬たちを蹴りつけた。

ウ:!!

   シュゥゥ…

   蹴られた犬たちは消滅していった。

ネ:ひゅぅ~。さっすがミョンガー、頼りになるわね~。

ミ:どういたしまして~。

ウ:このやろォォォ!ムカつくんだよォォ!!

??:ワンッ!

ウ:あ゙ぁ゙っ?

   ウミナギの足元に、さっきの犬、トトがいた。

女の子:トト~!すぐにいなくなっちゃうんだから!

   女の子はウミナギに近づいて行った。

ネ:危ない!近づいちゃだめ!

ウ:おい、お前。

女の子:え?

ウ:この犬を飼ってんのか?

女の子:うん!トトは私の家族だよ!

   《○○は私の家族だよ!私の大切な家族なの!》

ウ:…そうか。だったらよ、この犬のこと、ずーっと大切にしてやってくんねぇか?

女の子:もちろんだよ!トトはこれから先もずーっと私の家族だよ!

ウ:それならいいんだ…「家族」ならな。

   女の子はトトを連れてどこかへ走って行った。

ウ:さぁお前らァ…続きいくぜェ?

ネ:(どういうこと?ウミナギは子供には優しいってこと?これだけ殺気を醸し出しておきながら?)

ミ:どうしたの~?

ネ:いえ…なんでもないわ…

ウ:はァ…はァ…喰ってやるよォォォ…

ミ:また襲ってくるよ~!

ネ:逃げてジャングたちと合流しましょうか。

ミ:え、いいの?

ネ:…いくわよ。

   ネクリアたちはその場を逃げようとした。

ウ:敵に背ェ見せてんじゃねェェェ!!『犬戻り道!』

   突然ネクリアたちの目の前の道に、トゲトゲの針の山が現れ、進路を妨げた。

ミ:わわっ!あぶな~い!

ウ:逃がさねぇぞォォォォ!『イートピーポォォォ!!』

   ウミナギの両手が狼の顔のようになり、2つの顔(両手)が千切れてネクリアたちに向かって飛びかかった。

ミ:両手が千切れたよ~!?

ネ:『月の光線!』

   バシッ

   ネクリアの光線は1つの顔に当たり、弾き飛ばした。

ネ:(もう1つ間に合わない!)

ジ:そこまでだ、犬。『ナイフ斬り!』

   ジャングが現れ、顔を斬り飛ばした。

ネ:ジャング!

ジ:危なっかしい奴だな。

ネ:う、うっさいわね!

ウ:このやろォォォ!邪魔してんじゃねェェェ!

ジ:邪魔も何も、俺達も同じチームだからな。

ウ:だったらァァ…お前らも一緒に喰ってやるよォォォ!!

   ウミナギの手は元に戻った。

ネ:ジャング、あいつって一体…?

ジ:犬神憑きだ。詳しい説明はハリイノギョから聞け。

ハ:ほいな、説明しまっせ。

ミ:いたんだ~。

ハ:いたんだとはひどいやっちゃな~。

ウ:はァ…はァ…喰ってやるよォォォォォ!

ジ:鉄のナイフを喰うことは出来ないだろ?犬っころめ。

 

                       続く

 

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2011‎年‎2‎月‎14‎日作成