ネ:と、いうわけで次の町よー!
ミ:今度はどんな町かな~?
ハ:おぉっ!あんさんら見てみぃや!これうまそうやで~!
ハリイノギョはレストランの看板をじーっと見つめていた。
ネ:たしかに美味しそうね!
ジ:高いだろ。どう見ても高級レストランじゃないか。
ネ:一度でいいからこういうお店で食べてみたいわね。あぁ…やっぱり前の町での賞金が痛い…
ジ:贅沢言うなよな。
ネ:いっそのこと食い逃げでもしちゃいましょうか☆
ジ:アホか。
???:食い逃げとは感心しないな。
レストランから、一人の男が出てきた。
ネ:別に本当にするわけじゃないから問題ないでしょ?それよりアンタ、そこに入れるくらいのお金あるんなら1食くらい奢ってくれないかしら?
???:貧しいのか?そんなに僕に縋りたいのなら仕方ない。奢ってあげよう。ありがたく思え。
ジ:鼻に付く奴だな。お前に奢ってもらう必要はない。行くぞ。
ジャングはネクリアを引っ張ってその場を去ろうとした。
???:愚かな人民、せっかくのご馳走のチャンスを逃すとは、頭の悪い…
かちん
ジ:さっきから随分と偉そうだな。何様のつもりだ?
アンプ(以下ア):なんだ?僕のことも知らないのか?仕方ないから教えてやる。よーく聞いておくがいい。僕は栄光なるドープ家の子孫、アンプ・ドープだ。
ネ:ジャング、あなた知ってる?
ジ:知るわけない。
ミ:僕も知らないよ~。
ハ:わいも知らんな。
ア:お前ら…まぁいい!僕がどれほどすごいかを教えてやろう。ドープ家とは、代々医療界のトップを突き進み、僕の祖父は医療の神とも呼ばれたのだ!
ジ:知らん。
ミ:っていうか祖父ってことは、父親は大したことないのかな~。
ハ:せやったら息子はさらに大したことないってことやな。
ア:お、お前ら…僕を侮辱したな!?この僕を…っ!
ネ:何怒ってんのよ。別に知らなかったくらいで怒ることないでしょ?今知ったってことでいいじゃないの。
ア:うるさい!僕を侮辱した罪は大きいぞ!
アンプは懐から試験管を取り出した。
ネ:どっから出したのよ…
ア:ふふっ…僕はまだ子供だから表には出られないが、ドープ家で最大の天才だという事を教えてやる!
アンプは試験管のコルクを抜き、近くの花に中の液体を注いだ。
ミ:何してるの~?
ア:刮目しろ!僕の研究の成果を!
ネ:って言われても、何がどうしたってのよ。
ジ:…?ネクリア、あの花を見ろ。
アンプによって液体の注がれた花は、徐々に大きくなっていった。
ネ:何?巨大化薬?そんなの今の世じゃいくらでもあるわよ。
ア:それだけじゃないぞ。
花は人よりも大きくなり、花弁は鋭利な刃物のように尖り、根は足のように地面に立った。
ネ:あぁ、なるほどね。生き物にしちゃいますよーってことね。
ア:そうだ。これが僕の作った薬!この薬さえあれば、お前らのように僕に歯向かう奴を倒すことだって出来るんだ!僕はもう落ちこぼれでも弱虫でもないってこと…教えてやるんだ!
花の怪物はゆっくりと歩き出した。
ア:さぁ!あいつらを倒せ!
ネ:まったく、面倒な奴ね。
ネクリアは戦闘態勢に入ろうとしたが、ジャングが前に出た。
ジ:ここは俺に任せてくれないか?あいつは気に障る。
ネ:そう。じゃあ任せようかしらね。
ア:愚かな人民よ、花の怪物に食われて消えろ!
ジ:巨大化して動けるようになっても所詮花は花。『ナイフ微塵斬り!』
ジャングは花の怪物をナイフで連続で斬りつけた。
ジ:たわい無い。
花の怪物はバラバラに切り刻まれ、その場に散った。
ア:そんな…僕の研究の成果が……。いや、違う!今のは花に使ったからいけないんだ!今度はもっと強いやつ…そうだ!石だ!
アンプはまた試験管を取り出し、中の液体を道端に転がっていた石に注いだ。
ア:愚かな人民ども!今度こそ終わりだ!石の怪物に潰されてしまえ!
石はみるみる大きくなり、手と足が現れた。
ジ:これは…ナイフだとキツいな。
ネ:じゃあ今度こそ私が…
ミ:んじゃ僕が行く~!
ネクリアが出ようとすると、ミョンガーが勢いよく跳んで行った。
ネ:ちょっ…
ア:ははっ!そんな奴に負けるわけないだろ?行け!石の怪物!
ミ:そんな奴とはひどいなぁ~。じゃあこれでもく~らえっ!
ぐぐっ
ミョンガーは足を縮めた。
ネ:(お、アレね。)
ミ:『ストライクキック!』
ミョンガーは勢いよく足を伸ばし、石の怪物を蹴りつけた。
ア:うげげっ!?
石の怪物は耐えきれずに崩壊した。
ア:う、嘘だろ…?あんな生物に負けるなんて…
ジ:まだやるか?
ア:く…覚えてろ…お前達は、僕が絶対に倒してやるからな!!
アンプは捨て台詞をいい、走っていった。
ハ:変な奴に絡まれてしもたなぁ。
ネ:ま、いいわよ。そこまで真面目に相手しなくてもあしらえそうな相手だし。それよりお腹空いたわ!ファーストフードでも探しましょ。
ジ:あれ?レストランは?
ネ:奢ってくれる人が行っちゃったんだから諦めるわー。
ミ:ちぇ~っ。
続く
2011年2月13日作成