ネ:新しい街ね!
ミ:初めてきたな~。
ジ:隣町だろ?
ミ:あんまあの町から出た事ないからね~。
ジ:そうか。
ネ:あ、見なさいよあんたたち!コンテストだって!
ジ:コンテスト?何の?
「大食いコンテスト。賞金100万円! 出場条件→勇気のある人 日付→明日」
ジ:明日っておい…
ネ:ジャング。宿を準備しなさい。
ジ:え、まさか…
ネ:大食いコンテスト出るわよ!そして優勝して賞金をいただくわよー!
ジ:マジかよ…
ネ:というわけでホテルを用意してきなさい。
ジ:ったく…
ジャングは近くの手ごろなホテルに予約をとった。夕食まで時間があったので、近くの海でのんびりすることにした。
海
ネ:夕日が綺麗ね。
ミ:まるで生命の終わりのようだね~。
ジ:(生命の終わり…?)
ネ:ところでミョンガー。あんた、なんでこの世変えたいのよ?
ミ:そういうのを聞くときは…
ネ:自分から…ね。私はねー、犯罪者が…ってこの前言ったわよね?
ミ:うん。聞いた~。
ネ:じゃあいいじゃない。はい、アンタいいなさい。
ミ:次はジャングだよ~。
ジ:え、俺も言うのか?
ネ:ほら、言いなさいな。
ジ:いやいや、俺がミョンガーに聞いたわけじゃないから別にいいだろ。別にミョンガーの理由も知りたくないし。
ネ:冷めてるわねぇ。かちんこちんだわ。
ミ:しっかりしなよ~。この寒さで寝たら死ぬよ~。
ジ:どこの雪山だそれは。
ミ:ところで~。さっきからずぅ~っと何かがこっち見てるよ?
ネ:何か?
海面から、目だけを出してじーっと何かが見つめていた。
ネ:…ジャング。
ジ:おう。
ジャングは素早く動き、水中の生物を引きずりだした。
??????:あいたたた!何すんじゃ!
ネ:もういいわ。ジャング、降ろしなさい。
ジャングは生物をゆっくりと地面におろした。
ネ:で?何の用があって私たちを見てたのかしら?えーっと…えっと…イノシシ。
ジ:いやどちらかというと獅子舞だろ。
ネ:そうよそれよ!獅子舞!それが言いたかったの!
ジ:どーだか。
その生物は獅子舞のような顔に鰭をつけ、魚と合体したような姿をしていた。
ネ:まず、名前を名乗りなさい。
ハリイノギョ(以下ハ):わいはハリイノギョ。獅子魚のハリイノギョや。
ジ:獅子なのにイノかよ。
ハ:いや~あんさんが妙に綺麗やさかい、つい見惚れてしもたんや。堪忍なー。
ネ:あ、あらそう?まぁ、私が綺麗だから見とれるのは当然ね!
ジ:そういえばお前、鰭もあるのに足もあるのか。
ハ:わいら獅子魚一族は水陸両用生物や。まぁ、少しの間なら羽のように動かせば浮けるんやで。
ネ:へぇ~すごいわね。よし、あんた手下になりなさい。
ジ:まてまてまて。
ネ:何よー。
ジ:この前からてきとーに手下決めすぎだろ…もうちょっと考えないと、実力のない奴を手下にしても足手まといだぞ。
ハ:ほぅ…あんさん、わいに実力がないと言いたいんか?
ジ:いや、別にお前に実力がないとは言ってない。だが、慎重に選ばないとな。
ハ:ま、安心せや。わいはあんさんらの手下にはならんで。
ネ:えー!?どうしてー?ジャングが気に入らない?
ジ:おま…
ハ:ちゃうちゃう。むしろあんさんらは楽しそうで是非とも混ぜてほしいくらいや。せやけど、わいはわいらの住んでる場所から離れられへん。わいの仲間はあいつらやねん。
ネ:そう…だったら仕方ないわね。
ハ:堪忍な。また今度会った時、わいがここを離れられたら一緒に行かせてもらうわ。
ネ:ええ。待ってるわ。
ジ:(だーから実力も考慮せずに待ってるとか言うなってば…)
ネ:ところで、あんたらってどこに住んでるの?やっぱ海底とか?
ハ:いーや、大した事あらへんよ。ほら、あっちに島が見えるやろ?
ハリイノギョの指す方向に、小さな島が見えた。
ハ:あそこがわいらの住処やねん。誰かが荒らすこともない、いい島や。
ネ:そう。じゃあ、今度来た時にでもお邪魔するわ。
ハ:お、是非寄ってってーな!むしろ今でもええで?
ネ:あはは。残念だけど、今夜はジャングが宿をとったのよ。
ジ:俺が、じゃなくてお前がとれって言ったんだろ。
ハ:ま、わいらはいつでもいいさかい、待っとるでー!
ネ:ええ。ありがと。
ハリイノギョは島に泳いでいった。ネクリアたちもホテルに戻った。
そして次の日
ネ:さぁ!今日は優勝目指して頑張るわよー!
ジ:テンションたけぇ…
ミ:ジャングは随分と暗いね~。
ジ:寝起きは調子悪いんだ。
ミ:へぇ~。
ざわざわ
ネ:何かしら?騒がしいわね。
ジ:どうしたんだ?
住人:あの島…獅子魚の島から煙が上がってるんだ。
ネ:えっ!?獅子魚って昨日の…
住人たちの言う通り、島からは黒煙があがっていた。
ミ:あれってちょっとやばいんじゃないの~?
ネ:行くわよ!
ジ:ちょっと待て!コンテストはどうするんだよ!
ネ:まだコンテストまでは2時間あるわ!まずはあっちよ!
ジ:遅れても知らないぞ。
ネ:わかってるわよ!この魔女様に不可能はないから安心しなさい!『水の波踊り!』
海から水の台が現れ、ネクリアたちはそれに乗った。
ネ:目標は獅子魚の島!レッツゴー!
水の台は島に向かって進みだした。
続く
2011年2月9日作成