あれからどれほど経っただろうか?ヒイカたちは様々なところに訪れた。そして…
ネ:どう?この国は支配できそう?
ヒ:もちろんよ。この程度の国なら楽勝だわ。
ジ:しかし、本当によろしいんですか?
ヒ:…何がよ?
ジ:あいつは…こんなことをして喜ぶのでしょうか?
ネ:それは…
ヒ:いいのよ…だって、彼の夢は、私たちが最強になることなんだから。
ネ:そうよね。だからこそ、ここから全てを始めるの。
ヒ:あの馬鹿な子のためにも、私たちは全てを手に入れる。
ネ:この世界を変えるのよ。私たちの手で…!
ヒ:で、この国でいいわよね?
ネ:ええ。もちろん。これほど発展した国を支配する…楽しみじゃないの!
ジ:ネクリア様。ヒイカ様。準備は整いました。
手下1:さぁ!さっさと支配するぞ!!
ネ:ヒイカ。合図を。
ヒ:合図?
ネ:いや、なんか言いなさいよ。
ヒ:んー。それじゃあ…ここで私たちは築いていく。新しいものを。
ネ:テンションがひくぅい!
ヒ:五月蝿い。
ネ:えぇぇぇ~!?
ヒ:黙れ。
ネ:ちぇっ。
手下2:早く支配にいこうぞ。
ヒ:そうね。まったく。やっぱり貴方達の方がネクリアより優秀ね。
ネ:ちょっとぉー!そんな作り物の方が優秀ってどーゆーことぉー!?
ヒ:まぁ私が色を固めて作ったんだから、そりゃああなたなんかよりも優秀よ。
ネ:ふーんだ!私だって「色を一時的に消したり戻したりできる能力」を見につけたんだから!
ヒ:ええ。その能力は役に立つわ。相手を騙すためにね。
ネ:黒いわね。真っ黒だわ。
ヒ:ま、本当に色を返すことなんて出来ないんだもの。一時的にでも喜びを味わえばいいのよ。
ネ:黒すぎよアンタ。
ヒ:のうのうと生きてるのが悪いの。一度は本当の恐怖を味わえばいい。
ネ:おお、怖い怖い。
ヒ:さて、じゃあ行きましょうか。
ネ:そうね。
ヒ:さぁ、新しい世界の始まりよ♪
それからヒイカたちは国を支配した。
国の全ての色を奪い、国民に恐怖を与えた。
ヒイカは国の支配の首謀者等をネクリアに任せ、白黒になった色のない世界を堪能した。
そんなある日…
城前の花畑
ヒ:今日も国民は自分を守って国を守らない…と。随分つまらない連中ね。
そこに、誰かが遠くに見えた。
ヒ:あら?たまには勇気のある人がいるじゃないの。
ヒイカは近づいてきた2人に近づいた。
ヒ:あなたたち、どこへ行くの?
?:誰だ!
ヒ:うふふ…強そうね。あなた。
サァァァァァァァ…
風で色のない花が舞い上がる。
ヒ:ちょっと私と遊んでみない?
このモノクロの世界に似合わない綺麗な髪を靡かせた少女緋衣香。
緋衣香の本当の始まりは…
?:(こいつ…一体何者?…)君の名前は…?
ヒ:私は[虹使い]ヒイカ。あなたは?
ここからなのだ───
END
2010年8月17日作成