013 虹の世界へ

   あれからどれほど経っただろうか?ヒイカたちは様々なところに訪れた。そして…

ネ:どう?この国は支配できそう?

ヒ:もちろんよ。この程度の国なら楽勝だわ。

ジ:しかし、本当によろしいんですか?

ヒ:…何がよ?

ジ:あいつは…こんなことをして喜ぶのでしょうか?

ネ:それは…

ヒ:いいのよ…だって、彼の夢は、私たちが最強になることなんだから。

ネ:そうよね。だからこそ、ここから全てを始めるの。

ヒ:あの馬鹿な子のためにも、私たちは全てを手に入れる。

ネ:この世界を変えるのよ。私たちの手で…!

ヒ:で、この国でいいわよね?

ネ:ええ。もちろん。これほど発展した国を支配する…楽しみじゃないの!

ジ:ネクリア様。ヒイカ様。準備は整いました。

手下1:さぁ!さっさと支配するぞ!!

ネ:ヒイカ。合図を。

ヒ:合図?

ネ:いや、なんか言いなさいよ。

ヒ:んー。それじゃあ…ここで私たちは築いていく。新しいものを。

ネ:テンションがひくぅい!

ヒ:五月蝿い。

ネ:えぇぇぇ~!?

ヒ:黙れ。

ネ:ちぇっ。

手下2:早く支配にいこうぞ。

ヒ:そうね。まったく。やっぱり貴方達の方がネクリアより優秀ね。

ネ:ちょっとぉー!そんな作り物の方が優秀ってどーゆーことぉー!?

ヒ:まぁ私が色を固めて作ったんだから、そりゃああなたなんかよりも優秀よ。

ネ:ふーんだ!私だって「色を一時的に消したり戻したりできる能力」を見につけたんだから!

ヒ:ええ。その能力は役に立つわ。相手を騙すためにね。

ネ:黒いわね。真っ黒だわ。

ヒ:ま、本当に色を返すことなんて出来ないんだもの。一時的にでも喜びを味わえばいいのよ。

ネ:黒すぎよアンタ。

ヒ:のうのうと生きてるのが悪いの。一度は本当の恐怖を味わえばいい。

ネ:おお、怖い怖い。

ヒ:さて、じゃあ行きましょうか。

ネ:そうね。

ヒ:さぁ、新しい世界の始まりよ♪

 

 

   それからヒイカたちは国を支配した。

   国の全ての色を奪い、国民に恐怖を与えた。

   ヒイカは国の支配の首謀者等をネクリアに任せ、白黒になった色のない世界を堪能した。

   そんなある日…

   城前の花畑

ヒ:今日も国民は自分を守って国を守らない…と。随分つまらない連中ね。

   そこに、誰かが遠くに見えた。

ヒ:あら?たまには勇気のある人がいるじゃないの。

   ヒイカは近づいてきた2人に近づいた。

ヒ:あなたたち、どこへ行くの?

?:誰だ!

ヒ:うふふ…強そうね。あなた。

   サァァァァァァァ…

   風で色のない花が舞い上がる。

ヒ:ちょっと私と遊んでみない?

   このモノクロの世界に似合わない綺麗な髪を靡かせた少女緋衣香。

   緋衣香の本当の始まりは…

?:(こいつ…一体何者?…)君の名前は…?

ヒ:私は[虹使い]ヒイカ。あなたは?

   ここからなのだ───

 


                                END

 

 

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2010年8月17日作成