010 虹色の嘆き

ネ:ヒイカー!!

グ:グルルル…

ジ:ネクリア様!こっちにきます!

ネ:この…よくもヒイカを!!『月の光線!』

   ヒュン

ネ:なっ!?(なんて身軽なの!?)

グ:グワォッ!

   ボォォォォォー

   グランはネクリアとジャングに向かって炎を吹いた。

ジ:ネクリア様!

ネ:くっ!

   ゴォォォォッ

ネ:え!?あんたは!…ダーズード!

   ダーズードはネクリアたちの前に来て、攻撃を防いだのだった。

ダ:今のうちに移動するのだ!抑えることは出来ても打ち消しはできん!

ネ:あ、ありがと!

   ゴォォォォォォ

ダ:ふぅ。間一髪だったな。

ネ:でも…ヒイカが…

ダ:心配はいらん。ストラス。

ス:はい。

ネ:ヒイカ!

   ストラスは、間一髪でヒイカを救出していたのだった。

ネ:よかった…

ス:しかし、気絶しているようです。

ダ:…。最悪な事態になった。核の子が…覚醒した…!

ジ:これは…どうすれば元に?

ダ:わからん。書物には倒し方までは載っていないのだ。

ネ:じゃあ…どうすれば…

ダ:ここは一度引く。ストラス!

ス:はっ。ピトム!時間を稼げ!

ピトム:ピピ…

ダ:今のうちだ!こい!

   その場から逃げた。

ヒ:ん…

ネ:ヒイカ!目が覚めた?

ヒ:ここは?

ネ:ダーズードたちの第126番目のアジトよ。

ヒ:はっ!グランは!?

ネ:…町で暴れているわ。

ヒ:グラン…止めなきゃ…!

ネ:待ちなさい!あなた、ストラスが助けなきゃ今頃灰になってたのよ!?それに、自分の足見た?

   ヒイカの足は、少し炎に当たって火傷していた。

ヒ:このくらい…

ネ:ヒイカ!!

ヒ:うるさい!!

ネ:…

ヒ:グランは…私との約束のためについてきたの…私が放棄したから…だからついてきたの!

ネ:でもそれは…

ヒ:まだ…果たしてない…。一緒にはいたけど、まだ約束は果たしてない…。一緒に遊ぶって約束はまだ果たしてない!!

ネ:ヒイカ…

ジ:しかし、伝説に残るほどの最強の破壊兵器にどう対応するつもりだ?

ヒ:伝説に残ってるのは…何も核の子だけじゃない…

ジ:え?

ヒ:私だって…虹の子だって世界を滅ぼす最強の力よ。

ネ:でも、あんたは今足が使えないのよ?どちらも最強。なら、あなたの方が不利よ。

ヒ:そんなのわかってる、でも…でも、私の招いたことなの…

ネ:え?

ヒ:旅に付き添わせたのも私。あの店に行くことを許可したのも私。全部全部私なの!

ネ:…

ヒ:だから、私がなんとかしないといけないの!私がグランを助けないといけないの!!

ダ:我もそう思うぞ。

ネ:ダーズード!?あんたも何いってんのよ!

ダ:核の子を止められるのは、同じく伝説に残る最強の力…虹の子だけだ。

ネ:でも、戦ったら…戦ったら、どっちかが、ううん。どっちも消えちゃうかもしれないじゃない!!

ヒ:グランがいないなら…私だっている意味はない…

ネ:何言ってんのよ!

ヒ:黙って!!…グランは私の「大切」なの。私にとっての…だから、グランのためなら命だって惜しくない…だから…

ダ:…

ヒ:だから私は、死んでもグランを助ける!!そして…また、グランに笑ってほしい…

ネ:(ああ、やっぱりそうなのね。)ヒイカ。あんた……グランのこと、好きでしょ?

ヒ:……否定は出来ないわ。

   ボソッと返事をし、ヒイカは火傷をした足で走り出した。…グランを止めるために。

 

 

                               続く

 

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2010年8月17日作成