009 虹の定め

   店内

グ:うわぁ…すごいなぁ…

ネ:ヒイカ。あんた何考えてんのよ。

ヒ:これくらいで変わりはしないわ。それに、いざとなれば私が止める。

ネ:…

グ:ヒイカ!見てよこれ!すっごいよ!

ヒ:ええ、そうね。

ネ:(ヒイカ、やっぱりあなた…)

ジ:ネクリア様。いまいち理解できないのですが。

ネ:ん?ああそうね、あんたにも教えておきましょうね。

   説明後

ジ:核の子ですか…

ネ:ほんと驚きよ。てきとーについてきただけのただの子供だと思ったのに。

ジ:しかし、何故虹の子はこのような店に?

ネ:きっと…笑ってほしかったのよ。

ジ:え?

ネ:あの子はきっと、グランに笑ってほしいの。

ジ:それは…つまり?

ネ:つまり…そういうことよ。

ドンバス:いらっしゃい。

グ:うわっ!びっくりしたぁ。

ドンバス(以下ド):わしはこの店の店主、ドンバスだ。

ヒ:タマゴに2本のつの生やしたみたいな姿。変なの。

ド:はっきり言うねぇ。それより、若いのにこんなのに興味持つなんて、変わってるね。

グ:よくわからないけど、何か惹かれたんだよ。

ド:そうかい、だったら、いいものを見せてあげよう。こっちにきなさい。

グ:わーい!

ヒ:ネクリア。

ネ:ん?ああはいはい。

   地下

ド:みたまえ。

   グランは本を渡された。

グ:これは?

ド:これは、大昔に存在したと言われる、世界を滅ぼした核の子の話だよ。

グ:核の子?

ド:とんでもない強さを持ち、その力で大地を焼き払い、海を蒸発させたと言われる最強の力。

グ:核…核…

ヒ:そこまでよ!グラン、もうそろそろいいでしょ?時間経ちすぎよ。

ド:まぁまだよかろう。

ヒ:よくない!グラン!行くわよ!

ド:ではあなたがただけで帰ればよろしい。出口はあちらですよ。

ヒ:ふざけないで!

   バキィン

ヒ:!?

   急にヒイカの前に透明の壁ができた。

ド:この核の子は覚醒させる。その邪魔はさせない。

ヒ:なっ!?

ネ:こいつ、知って!?

ド:さぁ、目覚めよ!最強の核の子よ!

ヒ:グラン!だめ!!

グ:核…核…う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!

ヒ:グラン!!!

   ピカーーーー

   あたりを眩い光が包んだ。

   光が収まると、そこには…

ヒ:グラン…!え…?グラ…ン?

グ:グルルルルルルル…

   禍々しい姿へと変貌した、グランがいた。

ネ:え、何アレ!?

ジ:グラン!?

ド:素晴らしい!これが世界を滅ぼす核の子か!

グ:グルルルル…

ド:お前を目覚めさせてやったのは私だ!私に従うがいい!

グ:グルルルル…グワォッ!

   ゴォォォォォォオー

ド:う、ぎゃあああああああ!

   ドンバスは、グランの吹いた火で一瞬で灰になった。

ジ:なっ!?

ネ:まずいんじゃない!?

ヒ:グラン!!目を覚まして!

グ:グルルル…

ネ:近づいてくるわよ!

ヒ:グラン!!

グ:グワォッ!

   ゴォォォォォォォオー

   グランはヒイカに向かって火を吹いた。

ネ:ヒイカ!!

ジ:危ないです!ネクリア様も燃やされてしまいます!

ネ:ヒイカーーーー!!!

 

                               続く

 

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2010年8月17日作成