008 虹色の運命

グ:もー。ひどいなー。僕が起きたらもうロード終わって自転車も返してるなんてー。

ネ:あの状況じゃ仕方ないのよ。

グ:しかたなくなーい!

ヒ:(にしても、本当なのかしら?グランが核の子で、世界を滅ぼす力を持ってるなんて…)

グ:ん?どうしたの?

ヒ:いえ、なんでもないわ。

グ:えー。どうしたんだよー。

ヒ:なんでもないって言ってるでしょ。

   【レッドタウン】

ネ:随分暑い町ね。

ヒ:この地面、随分と照り返しがあるわね。その所為で気温も上がってるんだわ。

ネ:お、噴水見っけ!ちょっと涼んでいかない?

ヒ:そうね。できれば日傘でもほしいけど。

ネ:日傘?ほい。

ヒ:あんたどっから出したのよ。

ネ:紫外線はお肌の天敵なのよ。

ヒ:へぇ。

ネ:てきとーねぇ。

ヒ:まぁね。

   3人は噴水の前に行った。

ネ:さぁ、噴水よー!

   ネクリアは水に手をつけた。

ネ:ぅあっちぃぃーーー!!何これめっちゃ熱いじゃないの!

ヒ:まぁ、しかたないわね。この暑さじゃ。

ネ:こりゃまともな水は期待できないわね。

グ:え?そう?すごく気持ちいいよ?

ネ:何言ってんのよ。触るのだって熱くて…って、よく触れるわね。

グ:適温だよ。適温~。

ネ:あんたすごいわねぇ。耐熱?

ヒ:(熱…核熱…。)

ネ:(この耐熱…もしかして、あれの所為かしら?)

ヒ:まぁいいわ、行きましょう。

   町の中央付近

ネ:ぐっはー。暑いわねぇ。

ヒ:そうね…

?:おや?ネクリア様?

ネ:え?

   町のカフェから誰かが話しかけてきた。

ネ:あら?ジャング?ジャングじゃない。

ジャング(以下ジ):お久しぶりです。

ヒ:誰?

ネ:ああ、私の部下のジャングよ。ナイフ投げたりナイフで切ったりするのが得意なの。

ヒ:ふーん。

ジ:その者は?もしや虹使い?

ネ:そうよん。

ジ:ということは、仲間にできたのですね!

ネ:いやー…実はね…手下ってことになってるのよ。私が。

ジ:な、なんですと!?ネクリア様が手下…!?

ネ:まぁでも仲間みたいなものだけどね。

ジ:そうですか。それで、そっちのガキは?

ネ:この子はグラン。ヒイカについてきたのよ。

ジ:なるほど。

ヒ:ネクリア。行くわよー。

ネ:ちょっと待ちなさいな。ジャング、あんた暇なら一緒にきなさい。

ジ:え?

ネ:カフェにいたってことは暇なんでしょ?この町になんでいるのか知らないけど、一緒にきなさい。

ジ:え、ああ。構いませんけど。

ヒ:勝手にパーティ増やしてんじゃないわよ。

ネ:いいじゃないの。ここは私に免じて。ね?

ヒ:ま、使える奴ならいいけど。

ネ:雑用押し付ければいいのよ。

ジ:はっ!?

ヒ:ああそう。それは便利だわ。

ジ:ネクリア様?

ネ:文句あるかしら?

ジ:ありませんけど…

グ:苦労人?

ジ:手下とはそういうものだ。

ネ:わかってるじゃない。

ヒ:温度が下がってきたわね。町の出口が近いかも。

   そのとき、グランはふと左を見た。そして、その場所にかかれていたもの…

グ:核融合?

ヒ:!?

ネ:!?

ジ:ん?どうなさいました?

ヒ:(あの店…なんで核融合なんか書いてんのよ!)さ、早く行きましょう?

グ:待って。

ヒ:え?

グ:そこの店…寄っていかない?

ヒ:ど、どうして?

グ:わかんないけど…何だか惹かれるんだ…

ヒ:(核の子グラン…いや違う!ただ純粋に惹かれてるだけ!きっとそう!)

ネ:(どうするのよヒイカ…この店、ちょっとやばいわよ?)

ヒ:…少しだけよ?数分だけ。すぐに行くわよ。

グ:わかった!ありがとうヒイカ!

ネ:(ヒイカ!?)

この時私は思っても見なかった。ほんの数分この店に入った。それだけで…運命が変わるなんて…

 


                           続く

 

 

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2010年8月17日作成