ス:この世を滅ぼすために生まれた力?どういうことだ?
ヒ:悟ったんでしょう?どういう意味か。
ダ:色を奪う虹色の力。その昔その能力を持った者が世界を破滅に導いたという伝説。
ヒ:あら?誰かしら?黒い体に目玉一つの変な体して。
ダ:我はダーズード。
ヒ:んー。ストラスの上司ってとこかしら?
ダ:そうだ。
ヒ:それで?どうして私たちを追ってるのかしら?
ダ:あの能力は危険すぎる。いずれ取り返しのつかない大罪を犯す。
ヒ:まぁ、たしかに世界を滅ぼすのが目的ではあるけど。
ダ:お主の能力ではない。
ヒ:え?
ダ:もう一人の子供だ。
ヒ:グランのこと?あの子は何の能力もないわよ。
ダ:お主は気づいていない。
ヒ:?
ス:あ、あの~…虹の力について詳しく…
ヒ:あんた色々知ってるんでしょ?可愛い部下に説明してあげたら?
ダ:古い書物に記されているその力、使えば使うほど周囲の色を消す。
ヒ:少し間違ってるわね。
ダ:何?
ヒ:正確には、周囲の色が力の根源。消すんじゃなくてそれが消費物。
ダ:なるほど。周囲の色が根源か。しかし、あの時ストラスに巨大な技を放ったが、消費はなかったのではないか?
ヒ:いいえ、しっかり消費してるわ。今まで私が行った場所から集めた色をね。
ダ:溜めることができるのか?
ヒ:そうよ。だから、今この場の色を全て奪うことだって簡単。もちろん、生き物だって例外じゃない。
ス:なっ!?
ヒ:奪ってあげましょうか?あなたたちの色。
ネ:(調べてはいたけど、本人の口から聞くとやっぱり説得力あるわね。)
グ:ね、ネクリアー…耳塞がれたら隠れて見てる意味ないよ~…
ネ:(あんたにゃ聞かせらんないわよ。ヒイカの能力のことなんて、教えられないわ。それに…さっきあいつが言ったこと。)
ヒ:さて、そろそろグランについて教えてもらえる?グランの能力って何よ。どういうこと?
ダ:我らの町の地下にある真実の鏡が映し出した。いずれ大罪を犯すであろう核の子と。
ヒ:核の子?核って…原子爆弾とかのアレ?
ダ:そうだ。あの子供は、虹の能力が記された書物と同じ書物に書かれた破壊の力、核の力の持ち主!
ヒ:グランも…破壊の力の持ち主…!?
ダ:自覚しているお主とは違い、自分の力にすら気づいていない状態。今後不意に目覚めてしまうと危険なのだ。
ヒ:だから刺客差し向けて消そうって?
ダ:そうだ。
ヒ:…残念だけど、あなたがどう足掻いても消すことは不可能ね。
ダ:なんだと?
ヒ:私と同じような力なら、人の数十倍も体が強い。それはつまり、並大抵の力じゃ消すことなんて出来ないということ。それに…
ダ:それに?
ヒ:その力に似た力を持つ私が、あたなたちをグランに近づけさせない。
ダ:お主、自分の言ってることがわかっているのか!?あの子供は…
ヒ:世界を破滅させる力を持っていてこのまま生きていると危険だ。とでも言いたいの?
ダ:そうだ!
ヒ:じゃああなた、今誰に物言ってるのかしら?
ダ:何?
ヒ:あなたの目の前にいる私も、世界を破滅させる力の持ち主よ?あなたを消すことだって、簡単なんだから。
ダ:貴様!
ヒ:知らないわよ。グランがどんな能力持ってようが。それではいそうですか。とでも言ってグランを引き渡すとでも思ったの?
ダ:しかしだな!
ヒ:グランはグランなの!まだ目覚めてもいないのに、あるかもわからない能力を言い訳にグランを消させるわけにはいかないわ!
ダ:お主、信じていないのか?あの能力の恐ろしさを知らんからそんなことが言えるのだ!
ヒ:ええ知らないわよ。それに、たとえ暴走したって…私がグランを止める。
ネ:よく言ったわヒイカ!
ヒ:ネクリア!?あなた何やってんの!
ネ:心配いらないわ!グランにはちょこっと気絶してもらったから!
ヒ:あなた、全部聞いてたのね。
ネ:ふん。私だって支配を考える者。少しくらい話に参加してもいいでしょ?
ダ:こうなったら…核の子は力ずくででも渡してもらう!
ヒ:ネクリア!
ネ:任せなさい!『金の鳥飛翔!』
ス:その技は『連続鎌衝撃波!』
バシッバシッ
金の鳥は次々と落とされていった。
ダ:『暗黒光線!』
ズォォォォォー
ネ:ゲゲッ!美しくない黒い光線ね!
ヒ:でも威力は高そうね。『レインボーアロー!』
ダ:その程度の矢で敗れる技ではない!
ヒ:どうかしら?
シュゥゥゥゥゥ
ダ:何!?負けただと!?
ヒ:何言ってるのかしら?最初から勝ち負けなんてない。その矢は、あなたの攻撃を吸収して強くなっただけ。
ダ:くっ!
ドガガガガガガーーーーン
ネ:ひゅぅ~。安心と安全の強さね。
ヒ:さ、行きましょう。2時間経っちゃうわ。
ネ:もう過ぎてるけどね。
ヒ:え…。わかったわ。あなたたち、時間が経ったのはあなたたちの所為なんだから、自転車代よこしなさい。
ス:無茶苦茶な…
ヒ:命奪わないだけでもいいと思いなさい。それとも、今すぐ死にたい?
ス:くっ…!
ヒ:それでいいのよ。さ、行きましょう。
ダ:ま、待て!
ヒ:何よ。
ダ:お主らはきっと後悔する!核の子をかばったことを!
ヒ:この場で引渡しても後悔した。それなら、少しでも…一緒にいたい。
ネ:(あら?もしかしてこの子…)
ヒ:行くわよ。
続く
昔に作成