ネ:さーて、次の町についたわよー!
ヒ:なんであんただけそんなにテンション高いのよ。
ネ:いいじゃないの♪
グ:テンションなら僕も高いよ!
ヒ:あっそう。
ネ:というかヒイカがテンション低いだけなのよ。
グ:そーだそーだ!
ヒ:うるさいわねー。
ネ:ところでこの町はなんていう名前かしら?
【トゥルースタウン】
ヒ:直訳。真実の町。
ネ:なんだかよさそうな町ねぇ。
ヒ:(…何だろう。この嫌な感じは?)
グ:あれ?そういえば町の人が外を歩いてないんだね。
ネ:そうねぇ。どうしたのかしら?
ヒ:2人とも。この町は早くでましょう。
ネ:え?どうして?
ヒ:嫌な感じがする。
ネ:そう。貴女が言うんだったらそうしましょう。
グ:えーっ!せめてご飯くらい食べてからにしようよー!
?:いたぞ!こいつらだ!
ネ:?
バッ
突然現れた人々が3人を囲んだ。
ネ:あんたたち。何か御用?
ストラス(以下ス):俺はストラス。嘘偽りがある者を調べる「幻影調査隊」隊長だ。
ネ:げ、げんえーちょう?
ス:「幻影調査隊」だ。この町は真実の町。嘘偽りがある者はすぐにわかる。
グ:嘘偽り?
ス:そこの。
ヒ:ん?
ス:お前、何か大罪を背負っているな?
ヒ:!!
ス:その反応…当たりらしいな。
グ:ヒイカに隠し事?何?何?
ネ:(大罪?もしかして、「あの国」のこと?)
ス:今すぐに大罪の全てを話し、自分の非を認め、償うか、それとも否定し我々の裁きを受けるか。選べ。
ネ:裁き?
ス:裁きを下すのが我々幻影調査隊の役目だ。さぁ、どうする?
ヒ:大罪があることがわかっても、別に真実を知ってるわけじゃないのね?
ス:だからこそ真実を話せということだ。
ヒ:悪いけど…見知らぬ者に自らの過去を話すつもりはないわ。
ス:そうか。ならば、この町全てを敵に回すと思え!
ヒ:残念だけどもうこの町に用はないわ。今すぐ出させてもらうわ。
ス:我々が逃がすとでも思うか?この幻影調査隊が!
ヒ:逃げれるわ。ネクリア!
ネ:人使いの荒い子ねぇ。
ヒ:全体技は持ってるかしら?
ネ:なくもないけど?
ヒ:グラン。
グ:え?何?
ヒ:後ろからついてきなさい。決して離れないこと。
グ:う、うん!
ヒ:久しぶりに燃えられそうね。さぁ…パーティの始まりよ♪
ネ:『金の鳥飛翔!』
バババババババババ
金色の大量の鳥が幻影調査隊に襲いかかった。
調査団員:うわー!なんだこれはー!?
ス:うろたえるな!こんなもの…切り刻んでやる!
ズバッ
ストラスは両手の鎌でネクリアの金の鳥を切り刻み始めた。
ネ:長くはもたなそうね。ヒイカ!
ヒ:ええ!『虹色の花束!』
ズババババババババババババ
虹色の花弁がヒイカの前方広範囲にカッターのように無数に飛んだ。
調査団員:いててててーっ!
ヒ:突っ込むわよ!
ヒイカ、グラン、ネクリアは『虹色の花束』で空いた幻影調査隊のいない場所を駆け抜けた。
ス:逃がすな!大罪を認めるまで!
3人の後ろから幻影調査隊が追いかけてきた。
ネ:まったく、ここはなんて町なんだか…
ヒ:だから早くでたかったのよー。
グ:ヒ、ヒイカ!あの鎌の奴、何かしそうだよ!
ヒ:何か?
ス:『空間斬り!』
ズパッ
ヒ:止まって!
ズドーン
前方にあった家が斬り倒され、目の前に家の上半分が落ちてきた。
ヒ:随分ととんでもないことやらかす奴ねぇ。
ス:お前の大罪ほどではないはずだ。
ヒ:大罪大罪って…内容は知らないくせによく言えたものね。というより…そういうあなたも大罪を背負ってるんじゃない?
ス:ほぅ。よかろう。話してやる。たしかに俺にも大罪はある。だが、認め、償った。だからこそ堂々と話すことができる。
ヒ:どんな償いを受けたの?
ス:この幻影い調査隊隊長になり、嘘偽りを見抜き、新たな真実を見つけること。それが俺の償いだ。
ヒ:わっけわかんない。それってただの自己満足じゃない?
ス:なんだと?
幻影隊員:隊長になんという口の聞き方!また罪を増やしやがって!
ヒ:罪ねぇ…いいよ。だったらこうしよう。私とあんた、負けたら勝った方の言うことを聞く。どう?
ス:いいだろう。俺が勝った時には、お前の大罪を話してもらう。
ヒ:じゃあ私が勝ったら、すぐにでもこの町から3人とも出してもらえる?
ス:勝てると思うのならばな。
ヒ:まるでカマキリを巨大化させたような奴には負けないわ。
ス:言ってくれるな。
ヒ:本当のことでしょ?
ネ:ヒイカ。大丈夫なの?
ヒ:大丈夫よ。あんなのに負ける気がしないわ。
グ:ね、ねぇ…
ヒ:ん?
グ:ヒイカの背負ってる…大罪って…?
ヒ:…あなたは知らなくていい。
ス:では…いくぞ!『大鎌回転斬り!』
ストラスは両手を広げて回転しながらつっこんできた。
ヒ:(単純ながら隙の少ない技ね。こういうのを突破するには、足場を崩す!)『虹色の龍風!』
ゴォォォ
ス:!?
ストラスの足元の地面を崩し、ストラスはバランスを崩した。
ヒ:もらった。『虹色の花束!』
ババババババババババババ
ス:ちっ!
ストラスは技を喰らったが、ほとんど効いてはいなかった。
ヒ:(姿は攻撃型に見えたから一撃当てれば楽になると思ったけど…どうやら防御型のようね。)
ス:ここからが本番だ!『分身の術!』
ストラスは分身し、5匹になった。
ヒ:あ、いいわねそれ。是非とも欲しいわ。
ス:この技は身につける為に血も滲むような特訓を必要とする。お前のような子供が易々と身につけられる技ではない!
ヒ:それって結局残像なのかしら?どうなって分身しているの?
ス:目に錯覚を起こさせている。初期段階では残像だ。
ヒ:なるほど。初期段階では残像ね。
ス:では、フィニッシュだ!『大鎌回転斬り!』
5匹のストラスが5つの方向から回転しながらつっこんできた。
ス:この技は避けられまい!
グ:ヒイカ!!
ネ:あれはちょっとまずいんじゃない!?
ヒ:これあんまり使いたくないんだけどね。『ファイブ・オブ・レインボー!』
ビィィィィィィィィィィーーーーー
ヒイカの周りから5つの虹色のレーザーが放たれた。
ス:ぐあぁぁぁぁぁ!
5つのレーザーは全ストラスを貫いた。
ネ:やった!
グ:さすがヒイカ!
幻影隊員:隊長!
ス:強い…!
幻影隊員:隊長!我々も戦います!
ネ:だったら私が相手してアゲル!
ス:止まれ!
幻影隊員:え?
ス:これは決闘だ。邪魔はするな!
幻影隊員:しかし!
ス:黙れ!隊長命令だ!
ヒ:随分と熱い人ね。
ス:黙れ…今すぐに大罪を認めさせてやる!
ヒ:しつこいなぁ…
ス:これで終わりだ!『空間大鎌斬り!』
ヒ:そうね。終わりね。『レインボーフォール!』
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ス:(な、なんだこの技は!?抑えきれん!!)
幻影隊員:隊長!!
ネ:終わったわね。
ス:うぉぉぉぉぉぉぉーーー!
虹色の光線が滝のようにストラスに注ぎ込んだ。
グ:やったぁ!ヒイカの勝ちだ!
ス:く…この俺が…
ヒ:さぁて。じゃこの町を出ましょうか。
グ:そうだね!早く出よう!
3人は町を出た。
?:ストラス。幻影調査隊隊長ともあろうお前がガキ一人に負けたのか?
ス:う…ダーズード様。
ダーズード(以下ダ):確かに…我がトゥルースタウンの地下にある、真実の鏡が映しだしたあの子供の力は相当なものだ。
ス:はい。特に最後に放ったあの虹の滝…手も足も出ませんでした。
ダ:虹?ああ。大罪を犯した者のことか。そちらではない。
ス:え?
ダ:もう一人だ。核の子供。
ス:核の子供?そんな子供いましたっけ?
ダ:鏡は映し出していたぞ。「恐ろしい大罪を犯すであろう核」とな。
続く
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