ネ:ねぇ、あんた本当によかったの?
ヒ:何の話よ。
ネ:あのグランとかいうガキの話。置いてきてよかったの?
ヒ:あんな子供に何ができるっていうの?あまり大きな口を聞くと潰すわよ。
ネ:おー怖い怖い。
ヒイカたちはグランのいた町を去り、次の町まで歩いていた。
ヒ:にしても、この森は昼なのに暗いのね。
ネ:あら?虹の子が暗い森くらいで怖がってるのかしら?
ヒ:そんなわけないでしょ?
ネ:そうよね。
ガサガサッ
ピョン
急にヒイカの肩に何かが乗った。
ヒ:ん?今何か…
カサカサ
そこには、クモがいた。
ネ:あら。可愛いクモね。
ヒ:ク…ク…
ネ:?
ヒ:ク、クモーーーー!!??
ネ:えっ!?ヒイカ?
ヒ:いやぁぁぁぁぁーーー!!早く!早くとってぇぇーーー!!
ネ:あれ?もしかしてクモ苦手なの?
ヒ:いいから早くーーー!!!!
ネ:はいはい。
ネクリアはクモをとった。
ヒ:はぁ…はぁ…
ネ:にしても意外ね。無敵のヒイカ様とあろうものがクモ程度に弱いだなんて。
ヒ:クモナメんじゃないわよ!あんな恐ろしい生物はもはや生物と呼べないのよ!
ネ:そう…こんなに可愛いのに?
ヒョイ
ネクリアはさっきのクモをヒイカの目の前に見せた。
ヒ:ひっ…!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!
ネ:あははははは!こりゃおもしろいわ!ほれほれ!
ヒ:ちょっ!やめて!やめてって!
ネ:ほ~れほ~れ!
ヒ:もう!ほんとに…やめ…て…グズッ
ヒイカはまりの恐怖に泣き出した。
ネ:うわぁぁ!ああごめんごめん!まさか泣くなんて思わなかったわ!
ヒ:クモ…いや…ひっく…
ネ:(こうして見たら…ただの子供なのね…この子はもしかしたら、虹の力さえなければ普通の子としていられたのかも…)
ヒ:うわぁぁぁぁん!
ネ:(変な力さえなければ…この子はごく普通の生活ができたのかも…)
ヒ:うぅっ…
なんだかんだあって森を抜けた。
ネ:目が真っ赤よ?
ヒ:誰のせいよ!
ネ:まったく。ほんっとにツンデレね。
ヒ:誰がツンデレよ!
ネ:(はっ!何やってるの私ったら!でも…この子なんだか、私の娘に似てる…だからなのかな?)
ヒ:…何よ。じーっと見つめないでくれる?
ネ:ふん。生意気ね。
ヒ:悪かったわね。
ネ:やっぱアンタはツンデレね。
ヒ:違うってば!
?:あんさんが虹の子かい?
ヒ:ん?誰?
カーバ:わいはカーバ。虹の子を殺せと命じられたモンだ。
ヒ:そう。で?
カーバ:虹の子、覚悟しろ!
ヒ:覚悟するのはアンタよ。『レインボーアロー!』
ビューーーン
ザクッ
虹色の矢がカーバに突き刺さった。
カーバ:ぐああぁぁぁー!
ドッカーン
カーバは消滅した。
ネ:容赦ないわね。
ヒ:あれはあなたと違って本気で私を殺しにきたからよ。
ネ:自分の命を狙う者には容赦ないってことね。
ヒ:あれ?こんな外れの草原に家があるわ。
ネ:あら本当。寄ってみる?
ヒ:面倒なことになりそうだからやめとくわ。
ネ:お腹も空いたしいきましょう!
ヒ:は?私はいかないって言っt…
ネ:『木の根操縦!』
ビュン
ヒ:ちょっと!人の話を聞きなさい!
ネ:さぁいくわよー!
ヒ:ふざけんじゃないわよ!
ヒイカは連行された。
コンコン
ネ:ごめんくださいませ~!
ヒ:…
ガチャ
ガーラミンド:ア゙ァ゙!?誰だてめぇらは!
2メートルはあろう大きな体、両手は鞭状になり、牙が大量に生えた口を持った生物がでてきた。
ネ:(あれ?なんかおっかないの出てきたよ!?)
ヒ:(だから言ったのに…)
ガーラミンド:俺様のアジトにくるたぁ中々いい度胸してやがるな。
ヒ:あんた何様よ。
ガーラミンド:ガーラミンド様よ。
ヒ:自分に様をつけるなんて自惚れね。
ガーラミンド:なんだこのガキ…俺様とやりあおうってのか?
ヒ:ふん。やめときましょう?怪我するのはあなただからね。
ガーラミンド:てめぇ…自分の言ってることがわかってんのか?
ヒ:わかってるわよ?
ガーラミンド:俺様を敵に回しても後悔しないんだな?
ヒ:するわけないわ。
ガーラミンド:てめぇは今すぐに消えな!『ファイア!』
ゴォォォォォォッ
勢いのある炎がヒイカに迫る。
ネ:いきなりなんて技を!
ヒ:弱い技ね。『リフレクトレイン!』
ガキィン
ガーラミンド:何!?
ヒイカを覆うように雨の壁ができ、ガーラミンドの技を跳ね返した。
ガーラミンド:うぉぉぉ!
ボォォォォォ
ネ:すごい!相手の技を跳ね返したわ!
ガーラミンド:だからどうしたぁ!
バッ
ガーラミンドは炎を突き破って突進してきた。
ガーラミンド:『怨念の鞭!』
ビュン
両腕の鞭を振り下ろした。
ヒ:大雑把な攻撃。
ビタァン
ヒイカはほとんど動かずに回避した。
ガーラミンド:ぐおっ!
ガーラミンドは勢いで地面に倒れこんだ。
ヒ:じゃ、バイバイ。
ヒイカはガーラミンドの頭に手を添えた。
ガーラミンド:ぐっ!(まずい!)
ヒ:『虹色の龍風!』
ギュォォォォォォォッ!
ガーラミンド:がぁぁぁぁっぁぁあぁぁ!
虹色の竜巻がガーラミンドを襲った。
ドサッ
ガーラミンドはその場に倒れた。
ヒ:ふぅ。戦う相手は選びなさい。
ネ:(うわーお…私ったら最初はこんな恐ろしい子を倒そうとしてたのかしら?…生きててよかったー…)
ヒ:安心なさい。あなたは刺客じゃないから殺さないであげる。ま、殺さなくても私が全てを支配した時は全員消えるけどね。
ネ:(恐ろしい子…)
グ:すごいよヒイカ!
ヒ:…はぁ!?
グ:何?
ヒ:あんた…なんでいるのよ!
グ:なんでって…ヒイカをつけてきたんだよ!
ヒ:え、それってストーカー…
ネ:こらこら。
グ:ヒイカ!やっぱり僕を弟子にしてください!
ヒ:ダメ。
グ:でも、今更故郷になんか戻れないよ!
ヒ:それは勝手についてきたあなたが悪い。
グ:でも!
ヒ:でももなにもないの。帰りなさい。
ヒイカがその場を去ろうとした時
グ:ヒイカ約束したよね!
グランの声にヒイカは足をとめた。
グ:また遊ぼうねって!だから…ちゃんと約束守ってよ!
ヒ:…自分の命を捨てるならついてきなさい。
グ:ヒイカ…!うん!ついていくよ!どこまでも!!
続く
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