026 感情への怨み

回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  【ホロビタスター】

トゥーフェイス:フォーフェイス様!ピクス一族が攻めてきました!

フ:く…もはや限界…皆のもの!一時退却ー!

   そして…

トゥーフェイス:えっ!?フォーフェイス様!?一体何を!?

フ:今言った通りだ。我一人でピクス一族と話し合いに行く。

トゥーフェイス:危険です!せめて一人お供を…!

フ:駄目だ。二人以上では警戒されてしまう。

トゥーフェイス:しかし…

フ:大丈夫だ。我を誰だと思っている?感情の王フォーフェイスだぞ?

トゥーフェイス:フォーフェイス様…

フ:任せておけ。

   フォーフェイスはかっこよく笑った。

   そして1ヶ月後…

トゥーフェイス:フォーフェイス様が帰ってこられた!フォーフェ…!!

   帰ってきたフォーフェイスは既にボロボロだった。

フ:皆…すまない…我らは…この星をでなくてはならぬ…

トゥーフェイス:そんな…!ピクス一族め!全員で乗り込んでやる!

フ:やめろ!

トゥーフェイス:しかし!

フ:我の責任だ。ピクス一族のせいではない…我の…力不足だ…!

トゥーフェイス:フォーフェイス様…(涙を堪えてらっしゃる…!)

   そしてトゥーフェイス一族は【ホロビタスター】を出た。

  【ポップスター】

フ:さぁ!ここが我らの新しい星だ!皆!今度こそ我らの自由の星を…!

   しかし、そこにはフォーフェイスの求める自由の星はなかった。

トゥーフェイス:フォーフェイス様!また…また一人殺されました…!

フ:く…うおお…!我の…我の責任だ…

トゥーフェイス:フォーフェイス様!自分を責めないで!

フ:…トゥーフェイスよ…

トゥーフェイス:はい?

フ:お前らはもう我についてくるな。

トゥーフェイス:え!?フォーフェイス様!?

フ:我についてきたからこその結末だ…全ての責は我が受けよう。

トゥーフェイス:そんな!フォーフェイス様を失った我らにどうしろというのですか!?

フ:この星の住民の部下につけ。そうすれば将来安定する。

トゥーフェイス:フォーフェイス様はどうなさるのですか!?

フ:我は…いつかお前たちを向かえに来る。必ず…

トゥーフェイス:…わかりました。我々トゥーフェイスは、あなた様が帰ってこられるまで何代でもあなた様のことを語りましょう。

フ:…すまない。

   フォーフェイスは去っていった。


フ:我が…甘かった……(あの時…あの時我に感情さえなければ…!)

回想の回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フ:ピクス一族のボスよ!トゥーフェイス一族のボスフォーフェイスだ!

ピクスの先祖:何のようだ?

フ:今すぐ戦争をやめてくれ!我らは生きていければよい!だから…無意味に血を流すのはやめてくれ!

ピクスの先祖:…生きていればよいのか?

フ:ああ!この通りだ!我の…我の仲間を傷つけないでくれ!

ピクスの先祖:愚かな…部下を仲間と…な?部下に変な情けは無用。領土争いの道具だろう?

フ:違う!生き物は道具などではない!

ピクスの先祖:で?どうするのだ?

フ:え…?

ピクスの先祖:我ら一族との戦争をやめてほしいのか?それとも生きていたいだけなのか?

フ:我らは…生きていた!だからこそ戦争を…!

ピクスの先祖:我らも望んで戦争をしているわけではない。話合えればそれでよいと思っていた。

フ:それなら…

ピクスの先祖:しかし!

フ:!?

ピクスの先祖:お前らは許すわけにはいかない。

フ:何!?どうしてだ!?

ピクスの先祖:我らの…我ら一族の大切な子孫を殺したからだ!!

フ:子孫…?

ピクスの先祖:我ら一族は元々子に恵まれぬ一族…年々子は減少していた!そして今年、半年過ぎても子供が産まれなかった!そしてようやく産まれたのだ!

フ:そ、それで…?

ピクスの先祖:その子供を…お前ら一族は殺したのだ!

フ:そ…そんな馬鹿な!我ら一族は子供には手を出さぬ!

ピクスの先祖:ほらを吹くな!お前の一族に殺されたという情報が入っているのだ!

フ:そんな…

ピクスの先祖:だからこそ…我らはお前らと仲良くする気はない!

フ:では…どうすればよい…?

ピクスの先祖:できれば…この星から出てくれ。

フ:何!?我らに星を捨てろというのか!?

ピクスの先祖:我らにとって子を殺されたのはそれほどのことなのだ!

フ:しかし…我らとて星を追われては何も出来ぬ!

ピクスの先祖:他の星に行けばよかろう?星はいくらでもある。

フ:……

ピクスの先祖:条件を呑まぬなら戦争は続く。

フ:!!…わかった。呑もう。

ピクスの先祖:…そうか。

フ:この星を出たくはない。しかし…子を殺したというのは事実…ならば、我らが引くのは当然だ…

ピクスの先祖:…悪い。もっと早くお主とは話し合いたかった。

フ:…ああ。

回想の今~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

フ:(あの時…我が情けをかけてしまったから…我が同情してしまったから…)

?:《ならてめぇから感情が消えればいいだろう?》

フ:!?

?:《てめぇに情け、同情という無駄なモンがあったからお前ら一族は星を追われたんだろ?》

フ:あ、ああ。その通りだ…

?:《だったら憎くねぇか?感情が…感情を持つ野郎どもが…》

フ:感情が…憎い…?……憎い…感情が…感情を持つ奴が…

?:《だったら…復讐してやろうぜ…感情に…感情を持った奴に…》

フ:復讐…してやる…!感情なんか…

 


フ:(この世に必要ないのだ!!)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カ:そんなことがあったんだ…

フ:だから我は感情を消す…憎き感情を…!

カ:君の気持ちは分かる。でも、それで感情を憎むなんておかしいよ!間違ってるよ!

フ:我は間違ってなどいない…憎きは感情…感情を持つ者…

カ:君は何のために星からでたの!?君は部下の過ちの責任を負って出たんでしょ!?

フ:そう…そこで我が奴に同情さえしなければよかったのだ!

カ:同情したから今のトゥーフェイスがいるんだ!

トゥーフェイス:えっ?

カ:君がそこで感情を無くして部下の責任をとらなければ…今でも君たち一族はピクス一族と戦ってるんだ!まだ血を流してるんだ!君のせいで!

フ:感情さえなければ我はあの時親玉にトドメをさせた!無駄な感情があったからこそピクス一族を倒せなかった!我に感情があったせいで!!

カ:感情がなければとか言ってるけど…一番感情をむき出しにしてるのはお前じゃないか!!

フ:!?

カ:感情を憎むその気持ちは、どんな感情よりも深い憎しみの感情だよ!どんな感情よりも愚かな感情だよ!君は感情を憎む感情を持ってるんだ!!

フ:な…我に…感情などない!

カ:まだわからないのか!君は君自身を否定してるんだ!憎しみの…怒りの感情を持ってる君自身を!

フ:怒りの…感情…?

カ:君のやってることは無茶苦茶だ!矛盾だ!感情を憎しむという感情を持っていながら感情がないと言う!感情を捨てたみたいなこと言ってていつまでも憎しみの感情を持ち続けてるんだ!

フ:!!(我に…憎しみの感情…?)

 

       ワレニハカンジョウガアッタノカ?

       ズットウランデキタ…カンジョウガ…?

       コノニクシミソノモノガ…カンジョウ…?

       ワレハマチガッテイタノカ?

フ:う…うおおおおおおおお!!!うわぁぁぁぁーーーーー!!!!

ピ:ピピ!?どうしちゃったの!?

ク:恨んできた感情が自分の中にあったんだ。その真実を受けとめきれずに暴走してるんだ。

カ:僕らは決して感情を消すことは出来ない。感情を消そうというその心そのものが感情だから。

ア4:いかなる時も何かを思う。それが感情だから

ア3:何かをする。それが感情だから

キ:一度芽生えた感情は消えない。消せない。…絶対に。

フ:我が…我が今までしてきたことは何だったのだ…!?我は感情を憎み続けて…!!うおおお!!

リ3:神…!うおおぉぉーー!!『消滅の光!』

カ:!!『火吹き攻撃!』

キ:リセットスナイパー…!

リ3:させん…これ以上神には近づかせん!!『消滅波動!!』

ア3:『波動弾!』

   ドゴォー

リ3:神!しっかりしてください!我らは…我らは感情を消すのです!感情を…!

フ:…もうよい。リセットスナイパー…

リ3:か、神!

フ:我は神などではない…そして、感情を消しきれない愚か者だ…

リ3:そんな…神!あなたは神だ!間違いなく!お気を確かに!神!!

ア3:神神うるせーんだよ!!『ライジンブレイク!!』

   ドゴァー

カ:フォーフェイス。君は愚か者なんかじゃない。それに、今からだってやり直せる!

フ:…敵に情けをかけるなど…あの頃の我のようだ……愚か者め…!!

カ:(フォーフェイス!泣いて…!)

フ:だが、我はもうやり直せん。我は我自身の全てを否定したのだ…

カ:今からならやり直せる!絶対!

フ:うおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!

   ビリビリ

ピ:ピピ!すごい衝撃!

カ:フォーフェイス?

フ:…カービィ。我と戦ってくれ…

カ:え?

フ:我では我自身を抑えられない。だから…我と戦い、我を倒せ!

カ:フォーフェイス…!…わかった。それで君が救われるなら喜んで!

フ:…では、ゆくぞ!

カ:来い!フォーフェイス!

                           続く

 

 

2章に戻る

‎2008‎年‎11‎月‎25‎日